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兵庫県立歴史博物館 館長 端 信行
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発見された新資料を展示 2009年2月15日 |
いま本館では、特別企画展『ものと人は船に乗って〜ひょうごの港めぐり〜』を開催中です。すでに新聞各紙で紹介されているので、ご承知の方も多いかと思いますが、展覧会場を入ったすぐのところに、新しく発見された大きな屏風が展示されています。屏風の名称は『海路・諸大名御座船屏風』といい、6曲1双つまり6曲の屏風が2隻そろったものです。左隻には西国諸大名の御船印・帆印を描いた御座船71艘(右隻に紀州徳川家の2艘が描かれている)と島や岩礁などが細かく描かれています。また右隻には「紀州より江戸迄海辺浦々島々磯瀬船掛り場所針筋等荒増船図写之」とあり、紀州から江戸までの航海上の注意点を細かく記しています。
この珍しい屏風は、姫路藩の御船手組の家に伝来したもので、近年の調査で発見され、今回初公開となったものです。是非ご来館いただいて、じっくりと観ていただきたいと思います。
この例にかぎらず、最近、古文献や考古遺物、化石の発見が相次いでいます。そうした新発見資料は‘歴史’の内容を豊かにし、‘歴史’のおもしろさを高めています。こうした新資料の発見とその保存や展示公開も、博物館の大切な役割です。博物館で新発見資料の『屏風』を十分に堪能してください。