生徒指導



県立西はりま特別支援学校いじめ防止基本方針

(平成29年12月改定)

1 本校の基本方針

 本校は、児童生徒の教育的ニーズを把握し、一人一人の長所を伸ばすとともに、社会でより主体的に生きる力を育む教育を行い、校訓「げんき、かがやき、やさしさ」のもと、「自他の生命と人権が尊重される学校」をめざしている。
 
 全ての児童生徒が安全・安心な環境の中で、様々な教育活動に取り組むことができるよう、教職員全員が「いじめは絶対に許さない」という強い意志を持ち、いじめ防止に向けて日常の指導体制を定めている。いじめ未然防止を図りながらいじめの早期発見に取り組むとともに、いじめを認知した場合は、適切かつ速やかに解決するための「いじめ防止基本方針」を定める。

2 基本的な方向

 本校は、平成17年、知的障害がある児童生徒を対象に、小学校、中学校ならびに高等学校に準ずる教育とともに、障害に基づく様々な困難を改善・克服するために必要な教育を行い、一人一人の能力と可能性を最大限に伸ばし、自立し社会参加するための基盤となる生きる力を培うことを目的として設置され、地域や関係機関との連携のもと、小中高の一貫した教育活動を実践している。

 また、地域の小中学校や高等学校との交流及び共同学習はもとより、多くの地域行事や販売学習に参加し、社会との交流を積極的に進めている。これらの活動を通じて、児童生徒の社会性を高めるとともに、近隣の学校や地域に対して障害のある児童生徒への理解と啓発を進めている。

 いじめについては、平素より少人数の児童生徒を複数の教員で担当する体制をとっており、個々の児童生徒の学校生活や家庭生活の状況について複数の教員が把握し、児童生徒の微妙な変化を見逃さず、いじめの早期発見・対応に努めている。さらに、毎日の連絡帳を利用して家庭や施設との連携を密にすることで、学校外における児童生徒の生活実態をできるだけ把握し、いじめの未然防止・早期発見につなげている。

 また、校内研修等により教職員一人一人のいじめへの対応能力の向上を図り、「いじめはどこにでも起こり得る」という認識を全教職員が共有し、近年増加しているネットいじめへの対応をするため、情報モラル教育の充実を進めている。

 いじめを絶対許さない学校づくりを推進するため、以下の体制を構築し、いじめの防止等を包括的に推進する。

3 いじめ防止等の指導体制・組織的対応等

 (1)日常の指導体制

 いじめの防止等に関する措置を実行的に行うため、管理職を含む複数の教職員、専門的な知識を有する他の関係者により構成される日常の教育相談体制、生徒指導体制などの校内組織及び連携する関係機関を別に定める。

別紙1 校内指導体制及び関係機関

 また、いじめは教職員が気付きにくいところで行われ、潜在化しやすいことを認識し、児童生徒を対象に「いじめアンケート」を実施するとともに、教職員が児童生徒の小さな変化を敏感に察知し、いじめを見逃さず、早期発見のためのチェックリストを別に定める。

別紙2 チェックリスト

(2)未然防止及び早期発見のための指導計画

 いじめ防止の観点から、学校教育活動全体を通じて、いじめ防止のための取り組み、早期発見の在り方、いじめの対応に係る教職員の資質能力向上を図る校内研修など、年間の指導計画を別に定める。

別紙3 年間指導計画

(3)緊急時の組織的対応

 いじめの疑いに関する情報を把握した場合やいじめを認知した場合は、情報の収集と記録、情報の共有、いじめの事実確認を行い、迅速にいじめの解決に向けた組織的対応を別に定める。

別紙4 組織的対応

4 重大事態への対応

(1)重大事態とは

 重大事態とは、「いじめにより児童生徒の生命、心身または財産に重大な被害が生じた疑いがあると認めるとき」であり、いじめを受ける児童生徒の状況で判断する。本校の場合、例えば、精神的に非常に不安定な状況に追い込まれた場合、身体に重大な傷害を負った場合、金品等に重大な被害を被った場合などのケースが想定される。

 また、「いじめにより、児童生徒が相当の期間を欠席することを余儀なくされている疑いがあると認めるとき」であるが、「相当の期間」については、不登校の定義を踏まえ、年間30日を目安とする。ただし、児童生徒が一定期間、連続して欠席しているような場合には、適切に調査し、校長が判断する。
 
 さらに、児童生徒や保護者からいじめにより重大事態に至ったという申し立てがあったときは、校長が判断し、適切に対応する。

(2)重大事態への対応

 校長が重大事態と判断した場合、直ちに、県教育委員会に報告するとともに、校長がリーダーシップを発揮し、学校が主体になって、いじめ対応チームに専門的知識および経験を有する外部の専門家等を加えて組織し、事態の解決に当たる。

 なお、事案によっては、県教育委員会が設置する重大事態調査のための組織に協力し、事態の解決に向けて対応する。

5 その他の留意事項

 誰からも信頼される学校を目指している本校は、開かれた学校になるようこれまでも情報発信に努めてきた。いじめ防止等への取り組みも、保護者対象の学校評価アンケートの項目に位置づけ、その結果に基づき必要に応じて対応を見直している。また、地域とともに取り組む必要があるため、策定した学校の基本方針については、学校のホームページで公開するとともに、学校評議員会やPTA総会をはじめ、保護者懇談、家庭訪問などあらゆる機会を利用して保護者や地域への情報発信に努める。

 いじめ防止等に学校の基本方針が、実情に即して効果的に機能しているかについて、「いじめ対応チーム」を中心に点検し、必要に応じて見直す。また、見直しに際し、児童生徒の意見を取り入れるなど、可能な限り、いじめ防止等について児童生徒の主体的かつ積極的な参加が確保できるよう留意する。更に、地域を巻き込んだ学校の基本方針になるように、保護者等地域からの意見を積極的に聴取するように留意する。