Memory02
水泳
 水泳は、7月11日から1キロ近く離れた望海浜だった。水着は、腰から下はスカートがついていて二重になっていた。
 白砂青松の中で準備体操をして海に入っていった。2年からは、校舎が移転したので、適当な場所がなく、フンドウキチ醤油醸造の好意で、その裏庭の海岸だった。村人にこっそり隠れて、川や池で稽古をしたが泳げなかったのに、海では3日目に泳げた。そして卒業の夏は、1キロのテストに合格した。
 当時水泳教室のある学校はなかったが、校長先生に先見の明があったのだろう。
 六十五年すぎた今もJRの車窓から見える、道路一つ隔ててフンドウキチの門がある。当時のままに変わっていないことがとても懐かしい。

(明石高等女学校5回 二星いくえ)