明北青春百人一首 2011年 夏
《 巻頭歌 》
- 校舎から覗いて見えた入道雲 離れるほどに高く大きく
(1 コスモス畑)
《 A面の夏 ・ 受験生の夏 の部 》
- 自転車で塾までの道 上り坂 きっと明日へと続くと信じて
(4 4th) - 雨の午後 延長で負けた最終戦 皆の代わりに空が泣いてた
(1 トキ) - 髪の毛を二十センチも捨て去って 気を引き締めて迎える戦い
(8 同窓会館最高c) - 夏休み入って早々熱を出す 熱が下がってやる気も失せる
(6 なまけもの) - 一日の記録更新 十二時間! 今日から二日は休んでいいや
(4 クリミナル) - 友達という名の悪魔の紡ぐ声 「たまにはいいやん 息抜きしよう」
(4 西ポカ) - 通い詰め毎晩Lチキ食べた夏 塾もチキンももううんざりだ
(7 まっしろしろすけ) - 羨望は時に憎しみに変わりゆく 兄が彼女とTDLへ
(2 貴様、反撃か!!!) - 「電子辞書 あるほうがええんちゃう」と母が言い 端数の六百円持たせてくれた
(1 Oh no! ボルトまさかのフライング) - 「あんたらへの愛や」とリモコン隠す母 探し出したら電池抜いてた
(1 LAST JK☆) - 「あんたはいつも勉強ばっかでつまらん」と テレビを見てる母に言われる
(2 赤ちゃんまん) - 出雲にて娘のために手を合わす 受験の神より縁結びな母
(3 セブイレの常連さんの友達) - 弟が上から目線で 「焦るなよ」 相手にしてる暇すら惜しい
(6 南の王子様) - 弟の必死の頼み断れず なぜか書いてる『秀吉新聞』
(2 蘇我倉山田石川麻呂) - 科学者の偉大な発見なかったら ウチらの勉強楽だったのに
(8 スキマスイッチのボーカルの方) - 暑い中 何曲も作った替え歌で 覚えた古典の助動詞・単語
(1 億万笑者) - 「オレ無理や」そんな泣き言言いながら 成績いいヤツけっこういるよね
(3 ジャスドゥーイット)
/li> - 伸びないと嘆く友達励ますが たいがいみんな自分より良い
(5 及時当勉励) - 運動しない→あまり食べない→夜寝ない→朝起きられない×40
(2 センター試験のツボ) - 街中の低い段差で転倒し 体の衰え急に実感
(3 ガッチャピン) - 風邪ひいて BT細胞 白血球 ちっちゃな戦士のはたらき実感
(8 海月及介) - 楽しみは鉛筆変えた最初の日 ちょっときれいに文字を書くとき
(2 Beautiful) - 店員や周りの客が苦笑い そんなに変か 一人焼肉
(5 愛しさのアクセル) - ファミレスの窓辺で焦り感じてる 日に日に早まる夏の日没
(6 青汁) - シャーペンをしっかり握り前向いて 半目なままで口を開けてる
(5 スナフキン) - 夜遅く静かにめくる単語帳 いつの間にやら枕に変身
(6 西の王子様) - 夜の九時 寝るには少し早いから やってみました目の下にムヒ
(3 TNP) - 早起きし 地蔵盆に行く小学生の 間を縫って後期補習へ
(1 おばあちゃんの知恵袋) - 医療大 マネキンの名は「さくらさん」 桜の頃に絶対会おうね
(5 もけけ) - 鍵盤と楽譜と音と向き合って やっと見つけた 私の音楽
(7 F&f) - 以前なら絶対しない家事をやる 心はすでに独り暮らしへ
(1 首位独走や!!) - 「自己実現」 何度も聞いた言葉だが 「自己」って一体なんなんだろう
(5 レッドディザイア) - 志望校 親の反対押し切れず 中途半端に夏が去りゆく
(2 波瑠) - 新しい道が決まってなぜ不安? 自問自答を繰り返す日々
(2 まっちゃ) - 来年は浴衣も下駄も用意して みなとみらいの花火大会
(8 peri) - 後輩が校歌を演奏する中で 歌詞を見ながら歌う始業式
(4 睡眠時間。)
《 B面の夏 ・ もうひとつの夏 の部 》
- 太陽の熱い視線に頬染めて 庭のトマトが夏を告げる
(3 冷凍みかん) - ペンを置き 一息ついて深呼吸 夏の香りの風吹き抜ける
(4 「ミキ・ナカタニ」) - 夏の夜小さくなった大空に 美しく咲くデジタルの花
(6 例のあの人) - 大ゲンカ 家を飛び出し自習室 静かに気づく母の優しさ
(8 悠久のシベリウス) - おかあさん いつも夜食をありがとう 合格したら手料理するね
(2 ガンキング) - おじいちゃん 今年は受験の年なので 線香多めにたてておきます
(2 スマートフォンほしい。) - 古典のため『あさきゆめみし』読んでみて 恋恐ろしやと ちゃうこと学ぶ
(1 3rd) - 買い物中 ふと目が合った男の子 微笑みかけられ笑顔が還る
(2 味酬) - レジで手が触れてお釣りを募金して その勢いで勉強はかどる
(3 エジル) - 「ゴウケイデ…ニヒャク…ロッピャクサンエンデス」 君も頑張れコンビニのシュウさん
(7 電光石火ピガガガー!!) - 窓たたきトカゲを落とす その様を もう一匹のトカゲが見てた
(1 バカヤロー) - 電気予報 黄色のマークにギョッとして 慌てて探す節電ポイント
(4 FATE) - 友達と淡路一週の旅に出る 不安かき消しペダルを漕いだ
(7 クレアンガ) - 夏の夜 殻破るセミを凝視する 春には私も飛び立ちたいと
(2 まんじゅう) - 人の手で起こされ助かるセミはまたひっくり返って二度死んでいく
(7 若さゆえのあやまち) - 夏前に買った賢治の『春と修羅』夏の修羅越え ほこりをかぶる
(3 みんな大好きだよネーム ビチ・ビチ・ビチクソン) - しみじみと澄み渡っていくこの感情『神様のカルテ』読後の至福
(6 ミヤマクワガタ) - 草原(くさはら)で無数の星を見上げつつ 時とは何か問いかけてみる
(2 2nd) - いつもなら照れくさくなることさえも 言えてしまうのはこの星のせい
(3 1st) - 縁側で親子三代語り合い 夏空に響く ひぐらしの声
(8 人として軸がぶれている) - 世の中はなるようにしかならないと 悟りし我は肩の荷おろす
(5 NGU) - 涼風に背中押される帰り道 トンボとともに遠回りする
(5 わたがし) - 民主党代表選より 紳助より 一斗缶の謎が知りたい
(3 たのむから至近距離で花火を向けるのはやめてくれないだろうか。) - 頼りない政治家の騒ぎをよそに聞き 明日をみつめる被災地の民
(3 ヨーグルトスカッチ) - 被災地に静かに眠るマグロ漁船 在りし日の夢 海原に馳せて
(7 MURDER BEAR) - 澤が決め 宮間も決めたアメリカ戦 自分もできると心に誓う
(5 モンハンしたいさん) - 最後まで戦う姿に「ありがとう」 諦めないよ なでしこJAPAN
(1 ピンクのヘアゴム) - 原発や 計画停電 続く余震 当たり前じゃない受験勉強
(1 Never mind never say die !) - タイム・イズ・マネーというなら ネガティブなこの夜明けすら財産なのか
(1 MFOのF) - 目を閉じれば 皆そこにいて 笑い声… 旧(ふる)き佳(よ)き夏 色あせていく
(4 ふぇありー) - 儚くも散っていった夢たちを 未来に託し旅立つ僕ら
(1 ちはやふる)
《 恋の部 》
- 最初から叶わぬ恋と知っていた 背中みつめる小さな幸せ
(3 ちみっこ) - 英単や人物名で埋まるべき私の頭はあなたでいっぱい
(1 ライカム) - 壊れてる 僕の頭のハードディスク 単語消えても君が消えない
(3 リトルジェームス) - 自習室壁の向こうにいるあなた 気にもしてない気づいてすらいない
(6 夢見る夢子ちゃん) - 「この曲好き」あなたの言葉思い出し ピアノで奏でる『コイスルオトメ』
(4 恋歌で攻めます!) - 4*11333224*!! はずかしいけど伝えたい 解読してね貴方のc(あい)で
(3 IIDD) - 携帯であなたの名前打ったなら 予測の最初は 「好き」の二文字
(4 ワンパンマン) - 「人生で一回だけしかコクらん」と 公言しながらコクってしまった
(6 県下88位) - 「好きです」と必死で伝え 玉砕し なぜ好きだったか思い出せない
(1 夏、ツラ。) - トキメキの賞味期限が迫り来る あとは二人の味つけ次第
(8 Karl Popper に魅せられた受験生) - この夏はいつものように会えなくて… あなたは何を考えてますか?
(7 ACE)
- 会いたくて毎日通った病室に 普段見られぬパジャマと寝顔
(6 トムとジェリー)
- 午後ティーを飲んでる私に 「頂戴?」と 耳元に降るあなたの低音
(4 尾一分☆) - 偶然に上がった花火に照らされて 砂上の影が重なる二人
(8 蘇生〜overture〜) - 君の声 心音のせいで聞こえない ああ今 私 恋をしている
(1 すごろく) - 糸瓜(へちま) 摘む子らを支える妻の背に もはや愛する言い訳もなし
(撰者 舞姫) - 呼び止めたい… ホームへ向かう君の背を見送ることに慣れてきたけど
(4 ティンクル) - 平安の恋愛観がわからない 現代の恋もわからないけど
(4 紫の上、良い人過ぎる) - 古文読み 頭に入るの和歌だけで 会えない辛さに共感してる
(3 禁中並公家諸法度) - 塾帰り 駅の近くで君を待つ たった十五分 会うためだけに
(5 スヌーピー☆) - 「終わったんだ…。」 心に刻んだはずなのに 何度もしてるメール確認
(7 anchor) - かささぎになれれば君とまた会える? 六等星の彦星の夢
(8 時計職人)
《 ◎○▲△☆×(?_?)O. の部 》
- アイス食べ 協力しました 節電に
(3 メロリンキュー) - なぜだろう口にマシュマロほおばれば 思い出すのはキミのわき腹
(4 こってりパラダイス) - ペンネーム 名前バレナイなら言おう 「Y口先生 かかって来なさい」
(8 臼井将人) - むう、解けぬ、読めぬ、知らぬ、わからぬ。手も足も出ず過ぎる二十分
(5 蘭雪) - はじめて知った 入れ歯と差し歯の違い
(6 安全I第一) - 驚いた山下清の展覧会 人の多さと絵の細かさに
(7 火竜) - 会いたくて 二十四時間 転がる
(6 リラックマにわたしはなりたい) - ライターの音すればそこにオカンがいる OK牧場OK牧場
(2 ウホッ) - 母さんに怒られた夢 せみの声
(5 太陽のような女) - つまずいた 韓国が私をだめにした
(1 毎日さげぽよです。)