児童が問題意識をもち、見通しをもって問題解決に取り組む小学校理科の授業に関する研究
  ~ 「なぜ?」から「わかった!」へ思考をつなぐ理科授業 ~

                                        理科教育推進研修員 古田 洋里

要旨
 
 学習指導要領の改訂に伴い、理科教育では、主体的な問題解決を通して得られる理解等、自然の事物・現象についての「実感を伴った理解」を図ることが求められている。しかし、昨年度、小野市の小学校教員に実施したアンケート調査の結果において、問題解決の過程のうち問題を把握・設定する場面や検証計画を立案する場面、考察する場面で特に難しさを感じていることが明らかになり、見通しをもたせることや、問題意識を持続させることに課題が見られた。
 そこで、児童に問題意識を抱かせ、その問題意識を問題が解決するまで持続させることができれば、児童が問題解決を自分のこととして展開し、実感を伴った理解を得ることができると考え本研究を行った。その実施に当たっては、小野市立小野東小学校において授業実践を行い、その有効性を検証することにした。


 1.児童が問題意識や見通しをもって主体的に問題解決の活動を行う理科授業のために
 2.授業実践(1) 「電気の働き」
 2.授業実践(2) 「空気と水の性質」
 3.授業実践からの考察