(((平成25年度 研究紀要 第124)))
 

通常学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒をとりまく学級づくりに関する研究

義務教育研修課

 主任指導主事兼課長

 馬場 勝  指導主事 山下 勝幸
   指導主事 堀井 美佐
 指導主事 竹原 一典

 平成19年4月に特別支援教育が学校教育法に位置付けられ、小・中学校等においては、通常学級に在籍するLD、ADHD、高機能自閉症等の児童生徒に対して、適切な指導及び必要な支援を行うことが求められている。平成24年12月に文部科学省が行った全国実態調査の結果によると、「通常学級に在籍する知的発達に遅れはないものの学習面、各行動面で著しい困難を示す」とされた児童生徒は全体の6.5%である。また、同年11月に文部科学省が行った「特別支援学校のセンター的機能の取組に関する状況調査」の結果によると、多くの小・中学校等の教員が、当該児童生徒の障害の状況等を把握することや、指導・支援すること、評価に関することなどについて援助を求めており、多くの悩みを抱えていることがうかがえる。
 本研究では、当所で実施している若い教員を対象とした研修講座の受講者に対して行ったアンケート結果の分析及び県内の実践事例をもとに、教師、児童生徒、保護者の関係性に着目した考察を行いながら、「通常学級に在籍する特別な支援を必要とする児童生徒をとりまく学級づくり」に必要な視点を示す。

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児童の思考力、判断力、表現力等を育む授業の在り方に関する研究
−各学校における全国学力・学習状況調査の分析に基づいた授業改善−
  

義務教育研修課    主任指導主事 大西 ゆかり
      指導主事 早瀬 幸二

 当所では、平成23年度から児童の思考力、判断力、表現力等を育む授業の在り方に関する研究を行ってきた。平成23年度は、言語活動に関する教員の実施状況や意識を調査し、その結果を踏まえて、児童の思考力、判断力、表現力等の育成に向けた言語活動の効果的な取り入れ方について、社会科の単元展開例を提案し、具体的な視点を示した。平成24年度は、「ことばの力」の向上を図る観点から、全国学力・学習状況調査における児童生徒の学力の全県的な成果と課題を踏まえ、思考力、判断力、表現力等を育むための授業改善の視点を示すとともに、国語科と算数科の指導例を提案した。
 本研究では、2年間の研究成果を踏まえ、全国学力・学習状況調査の分析方法の工夫や分析結果の校内授業研究への活用といった、各学校における全国学力・学習状況調査の分析に基づいた授業改善の方策を提案し、当所とたつの市立御津小学校との協同研究を通してその有効性を検証する。

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生徒の学力向上に向けた効果的な取組について  

高校教育研修課    主任指導主事 坂東 修司
      指導主事 松本 久永
      指導主事 清水 伸宏

 平成15年に国の事業として『学力向上フロンティアハイスクール事業』が実施されて以降、本県では学力向上に関する独自の事業を継続的に展開してきた。平成24年度からは『高校学力向上推進プロジェクト』と称して、県立高校30校を研究校として指定し、研究校がそれぞれ工夫して授業改善等に努め、学習意欲の向上、学習習慣の定着を図りながら、学力の向上を推進するとともに、その研究成果の全県への普及に努める事業を行っている。
 本研究では、本県が学力向上を目的とする事業に取り組んで10年以上が経過した
今、改めて効果的な取組や実践について検証したいと考え、研究校の全教員を対象とするアンケートを実施し、学力向上に向けた取組についての調査を行った。この調査から得られた学校としての組織的な取組や各教員の取組を、分類して整理しながら検証することで、研究校以外の学校における生徒の学力向上に向けた取組の一助となるものにしたい。
             

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緊急時に対応した学校・家庭・地域間の情報伝達に関する研究
−ネットワークを活用した効果的な情報発信の在り方−

情報教育研修課 主任指導主事兼課長   武田 由哉
    主任指導主事   三原 智雄
    主任指導主事   上月 通男
       指導主事   山本 義史

 本研究は、平成21年の新型インフルエンザの発生が契機となっている。このとき、従来からの電話連絡網が十分に機能しなかったことから、ネットワークを使って、これに変わる情報収集・発信の方法を探ることを目的として研究を始めた。
 平成23年度には東日本大震災が発生し、その教訓から、緊急時における学校・家
庭・地域間の情報伝達及び情報資産管理の方策について考察をし、実用的なモデル開発を目指して、システムに必要な条件を整理した。これらの研究の成果を踏まえ、平成24年度には、当所が運用・管理する教育情報ネットワークのシステム更新を機に、従来のネットワークサービスに加えて情報資産を管理するための仕組みを新設した。またメール連絡システムを試験的に導入し、いくつかの学校を実験協力校に指定し
て、運用実験を開始した。
 本年度は、このメール連絡システムの運用状況を分析した結果から、緊急時に対応した、学校・家庭・地域間における、より簡単で確実な方法による情報伝達の可能性を探った。

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 児童生徒の情報活用能力を育む取組の充実に向けて       

−学習指導の方法についての一考察−

情報教育研修課 主任指導主事兼課長   武田 由哉
    主任指導主事   藤原 生也
    主任指導主事   三原 智雄
       指導主事   村本 由佳

 インターネットの普及や情報化の進展に伴って、誰もが簡単に情報を発信できるようになった結果、大量の情報から必要な情報を選択し、適切に活用する力が重要になっている。また、情報手段を効果的に活用して新たな知識や情報などを創造・発信
し、問題解決につなげる能力が求められるようになっている。
 当所では、平成24年度より、児童生徒の情報活用能力を育む取組の充実に向けて、各種状況調査を実施するとともに、淡路市教育委員会と多可町教育委員会のそれぞれと共同研究を行って、児童生徒の情報活用能力を育むための学習指導の方法について考察し、研究を進めてきた。
 本研究では、共同研究実施校における授業実践を基に、児童生徒の情報活用能力を育む学習指導の事例を紹介するとともに、ICTを活用した学習活動を情報活用能力の3観点・8要素に照らして分析することとする。また、それらの学習活動を情報活用能力の各観点に位置付け、相互のつながりを明確化することにより、教科を横断
し、学年を連続して、児童生徒の情報活用能力を育むための学習活動の系統性を例示することとする。

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不登校予防の研究(最終報告)

−居心地のよいクラスづくりをとおして−

    高校教育研修課  主任指導主事   阿部 浩士
    義務教育研修課     指導主事   寺戸 武志

 平成24年度の本県の在籍児童生徒数に占める不登校児童生徒数の割合は、全国平均と比較するとやや下回っているものの、不登校は依然として教育上の課題となっている。
 これまでの不登校対策としては、不登校傾向にある児童生徒や不登校に陥った児童生徒に対しての個別支援は行われてきたが、不登校を未然に防止するための集団への働きかけには工夫・改善の余地があると考える。
 本研究は平成24年度からの2年間で「不登校予防プログラム」を作成することを目的とした。心の教育総合センターが開発した「心の健康教育プログラム」所収の指導プランに基づき、多可町教育委員会と共同で「不登校予防プログラム授業」として再構成し、研究校にて不登校予防に向けた授業づくりと環境づくりに取り組んだ。その効果について考察、検証を行い「不登校予防プログラム」として提示する。

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県教育委員会における研修体系の再構築に関する研究

  企画調査課

主任指導主事兼課長 

 西川 雅秀
 

主任指導主事 

 若松 明子 主任指導主事  村中 利章
 

     主任指導主事 

 加藤 正保    指導主事  神戸  剛

 平成24年8月に中央教育審議会は、答申「教職生活の全体を通じた教員の資質能力の総合的な向上方策について」を出した。そこでは、急速に進展する社会を生き抜くため、学校が基礎的・基本的な知識・技能の習得に加え、思考力・判断力・表現力等の育成や学習意欲の向上、多様な人間関係を結んでいく力の育成等を重視する必要があること、さらに、教員の養成及び学び続ける教員像の確立が必要であると記され、初任者研修の高度化や現職研修の改善等、教職生活全体を通じた改革の方向性が示された。
  本県では、平成25年5月に「教育委員会における研修・研究体制検討プロジェクト・チー
ム」を設置し、「学び続ける教員像」の確立に向けて協議が行われ、その中で本県の義務教育諸学校における初任者研修の在り方が課題の一つとして挙げられた。
 本研究では、本県の義務教育諸学校における初任者研修の現状と他府県の研修体制の調査結果等をとおして本県の今後の初任者研修の効果的及び効率的なあり方について考察した。

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