(((平成16年度 研究紀要 第115集)))
 

小・中学校における学校評価に関する一考察
 −学校組織の活性化を促す学校評価をめざして−

義務教育研修課 主任指導主事兼課長 安達 佳徳
  主任指導主事 コ平 信幸
  指導主事 東  智之
  指導主事 上田 聡子

 大きく変化する時代にあって、学校、家庭、地域社会が連携協力して次代を担う子どもたちの成長を支えていくことが求められている。そのためには、学校が、自己点検・自己評価を行い、その結果を積極的に保護者や地域住民に公表し、説明責任を果たすことが重要である。学校評価が、学校の教育目標実現において重要な役割を果たすことは明白であり、今後ますます積極的な推進を図る必要がある。
 本考察では、「学校経営(小・中・養護学校新任校長)研修講座」において実施したアンケートをもとに、各学校の学校評価に係る取組の実態を把握し、分析を行った。その結果、学校評価の実施は確実に進んでいるものの、実施状況や内容、公表状況に関してはそれぞれに課題があり、各学校とも、学校評価に対する教職員の意識改革、推進体制の整備、評価項目や評価基準の設定等に苦慮している現状が明らかになった。学校評価を推進し、学校運営に積極的に活用していくために、課題について検証し、解決に向けた取組を、具体例をあげて述べる。

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「目標に準拠した評価」の充実に向けての研究
−児童生徒・保護者・教員における評価情報の共有をめざして−

義務教育研修課 主任指導主事兼課長 安達 佳徳
  主任指導主事 福島 美和
  指導主事 渡  信雄

 新学習指導要領の下で「目標に準拠した評価」が実施されて3年が経過した。各学校において実態に合わせた評価活動の取組を進めているが、まだ十分とは言えない状況である。「目標に準拠した評価」を指導の改善に生かし、有効に活用するためには、今一度、学校の実態を知り、問題点や課題を明らかにした上で検証を加え、今後の方向性を探ることが重要である。
 研究を進める中で、「目標に準拠した評価」をさらに充実させ、評価を指導の改善に生かすためには、教員間で共通理解を図るための研修と、保護者・児童生徒へ積極的に説明責任を果たすことの重要性が改めて見えてきた。これらの課題の解決に向けた取組を進めることが、児童生徒・保護者・教員間での評価情報の共有につながり、評価の客観性や信頼性がより高まると考えられる。

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高等学校初任者研修の改善・充実のための開発的研究
−ライフステージに応じた研修体系における初任者研修の進め方−

高校教育研修課 主任指導主事兼課長 門脇 千里 指導主事 田靡 幸夫
  指導主事 岡田  学 指導主事 高橋 信之
  指導主事 山口  豊 指導主事 野ア 洋司
  指導主事 小林 二城 指導主事 市橋真奈美
  指導主事 浅川 修平    

 本県公立高等学校初任者に対しては、当所が主管する校外研修と勤務校の校長・指導教員等による校内研修が一年間にわたり実施される。本研究は、初任者研修を改善・充実させるために、校外研修と校内研修の効果的な連携方策を考察したものである。
 高校教育研修課では、平成16年度高等学校初任者研修実施校の校長、指導教員ならびに初任者研修対象教員の協力により、校外研修と校内研修の連携方策を明らかにするための開発研究を行った。その結果、校外研修の実施に際して、事前研修・事後研修などの校内研修が意図的、計画的に実施されることにより研修効果が高まることが明らかになった。

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eラーニングによる新たな教職員研修の在り方
−研修用コースウェアの体系化と運用・支援−

情報教育研修課 主任指導主事兼課長 常隂 則之 指導主事 難波 宏司
  主任指導主事 白石  守 指導主事 山田  潔
  主任指導主事 木村 典泰 指導主事 佐藤 勝彦
  主任指導主事 岡本 育夫    

 情報通信技術(ICT)が進歩し社会環境が劇的に変わりつつある中、教職員研修にも新たな研修スタイルとしてeラーニングの導入が進んでいる。当所では、平成13年度よりこの新しい研修形態に注目し、eラーニングシステムを運用するための研究やコースウェアの開発に取り組んできた。eラーニングによる研修を、平成15年度は一般研修講座受講者を対象に集合研修を補完する事前研修として、また、平成16年度には一般研修講座として6か月にわたりeラーニングのみで実施した。本研究では、この2年間の取組から受講者の研修状況の推移や支援の実際、受講後のアンケートをもとに効果的な運用方法について考察し、新たな研修スタイルとしてのeラーニング研修の方向性を示した。

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教育用資料情報データベースによる情報の共有化と活用について
−地域学習のためのコンテンツの共有化と効果的な活用をめざして−

情報教育研修課 指導主事 山田 潔
     

 県内の各市郡町教育委員会が所管する教育用副読本や地域の博物館等が所有する資料等のさまざまな教育用資料データを蓄積し、提供する教育用資料情報データベースを昨年度構築した。このデータベースの活用を図るにあたり、効果的なコンテンツの収集、作成、登録および検索方法について検討した。また、小学校等での地域学習における本データベースの有効な活用について、授業実践をとおして考察するとともに、指導モデルとしての実践例を教育情報ネットワークのサーバに蓄積、公開することにより、本データベースの活用促進を図る。

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広範囲な世代層における科学リテラシーに関する研究

教務部 部長 清重 安男 高校教育研修課 指導主事 田靡 幸夫
企画調査課 主任指導主事兼
 課長
石井  稔 情報教育研修課 指導主事 佐藤 勝彦
義務教育研修課 主任指導主事兼
 課長
安達 佳徳 理科教育推進研修員 西川 康成
情報教育研修課 主任指導主事 木村 典泰     中野 良紀
企画調査課 指導主事 芦谷 直登      

 本県における科学リテラシーの向上を図る方途を探るため、昨年度、小・中・高等学校の児童生徒や教員、保護者を対象に理科に関する意識調査を実施した。調査の結果、理科好きの児童生徒は、学年進行に伴って減少するという傾向が見られ、子どもたちの科学リテラシーの向上を図る取組の必要性と、小学校で「理科嫌い」をおこさないための予防や、中・高等学校での「理科嫌い」の子どもたちに対する支援など、切れ目のない環境作りを行う必要性が確認できた。
 本稿では、昨年度のアンケート調査に加え、本年度当所で実施した観察・実験講座及びサイエンスショーにおけるアンケート調査の分析をもとに、今後の学校における理科教育の在り方や保護者・地域の児童生徒への関わり方について探った。その結果、子どもたちへの直接的なはたらきかけに加えて、教員へのはたらきかけ、なかでも小学校教員の若い世代(特に初任者)に対して、観察・実験の基礎を身に付けさせるとともに教員自身を「理科好き」にするような体系的な研修等の取組が必要であることがわかった。

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