人知らずして慍らず、亦た君子ならず乎
兵庫県立西宮甲山高等学校長
本校は、基(校訓)「己を究め ふれあいのなかに 明日を拓く」のもと、地域の期待に応えるべく在校生、教職員、保護者が一丸となって、生徒を中心に据えたすばらしい学校づくりを目指して今日まで頑張ってまいりました。今年度、創立三十周年を迎え、卒業生は総勢6700人に達しました。
本校の卒業生は在学中、学習と部活動を両立させ、学習面でも部活動面においても立派な成績をあげ、現在地元兵庫県だけでなく、日本全国、世界各地で活躍されておられます。先輩方は日々西宮甲山高校で学んだことを誇りに思って活躍されています。
私も何人かの甲山高校の卒業生、OB教職員の方を知っています。そこでお会いした皆さんに感じたことは、論語にある、
「学びて時に之れを習う、亦た説ばしからず乎。朋有り遠方より来たる、亦た楽しからず乎。人知らずして慍らず、亦た君子ならず乎。」
という一節です。漢文の時間にほとんどの人が、この一節を勉強したと思いますが、案外知らないのが最後の「人知らずして慍らず、亦た君子ならず乎。」というフレーズではないでしょうか。このフレーズの意味は「人から評価されずとも怒らないのが学ぶ者の姿だ。」という意味です。私のお会いした甲山高校関係者の方々は、いろんな世界で、社会の一隅を照らすために黙々とお仕事をしていらっしゃいます。それが、人に知られようが知られまいが、けっして怒らず仕事をなさっています。
われわれ教職員・生徒一同、卒業生、OB教職員、地域の皆さんが築かれた素晴らしい歴史と伝統の基礎の上に、西宮甲山高校の更なる発展のために努力してまいりたいと思いますので、宜しくご指導・ご鞭撻の程お願いいたします。