黒い鶴
奇跡なんておきない、
私はまずそう思った。
父と母が静かに話してる時に、
「どうしたの?」と聞いたのに、
「まぁ、ここに座りなさい。」と言われた時に、
もう、雰囲気だってよめてた。
イタイ。
心は靄がかかって前が見えないだけなのに。
イタイ。
喉の奥が。
アツイ。
目の前はぼやけて見えないだけなのに。
アツイ。
目の奥が。
本当に笑えるだろうか?
あの人の前で。
今私は「ふつう」を意識する。
くさい愛の台詞よりも、
ナルシストな言葉よりも、
今それは何よりも遠く感じられる。
奇跡なんて存在しない。
「いつかは来る事。」
二人ともそうやって、慰める。
だけどそれは、運命なんかじゃない。
どうしよう?
今私は「ふつう」を意識する。
知らない方がよかった、
という現実逃避。
時間があれば覚悟できるのだろうか?
と前を見る私。
無邪気に尋ねる弟を愛しく思い。
母に寄りかかって泣く妹を苦手に思う瞬間。
あの、寂しいような明るいような音楽が流れる。
あの時は、その時初めて涙が流れた。
あの、私のエゴで埋められた鳥を思い出す。
あの時は、放課後の静けさに飲み込まれてしまいそうなだけだった。
この涙はエゴなんだろうか?
散らかってる部屋の使用法を見つけた
この中なら一人だけど独りじゃない。
今私は「ふつう」を意識する。
そしてこれも、埃にまみれて普通に戻るんだろう。
奇跡なんておきない。
奇跡なんて存在しない。
今私はそうやって「ふつう」よりも「げんじつ」を意識する。
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