54・55合併号

 

   最近思うこと       兵庫県立舞子高等学校  高 田 泰 英

 

 

 マレイシアから帰国して4ヶ月が経ちました。2年間をゆっくり流れる時間の中で過ごしたためか、日本では大部分の人が時間に追われる生活しているように感じます。派遣前は、僕自身、時間に追われる生活に何も感じず、限られた時間をいかに有効に使うかをいつも考えながら突っ走っていました。最近はその状態に戻りつつありますが、少し違うところは、時々立ち止まって肩の力を抜き、ゆったりした心の状態を保とうと心がけていることです。そうすると、ついつい忘れていた大切な何かにふと気が付くことがあります。

 今、本県の高校教育改革をうけて、各学校で様々な取り組みがなされようとしており、学校内に新しい委員会が次々に発足され、色々な協議が連日なされていることと思います。多いときには、1週間のうち4~5日会議が続くこともあるのではないでしょうか。僕の場合、教材研究 2~3割に、会議・事務処理等々の授業以外の仕事が 7~8割といった状態で、生徒に申し訳ないと思いつつ毎日が過ぎていきます。確かに、教育をとりまく厳しい環境の中、色々な改革が求められ、方向性や教育課程等を検討することはとても大切なことだと思います。しかし、教育改革の激しい動きの中でこそ、そのベースとなる授業のあり方をもう一度考え、しっかりと取り組みたいと思うこの頃です。

 

日 時 6月10日(第2土曜日) PM2:00~5:00

場 所 神戸大学発達科学部

参加者 北川,安岡(御影),吉田(宝塚東),秋山(尼崎北),芝崎(武庫川女子大付属),谷口(尼崎稲園),木田(国際環境専門),浅井(尼崎西)鴛海(神戸大学大学院)

 

 

1.連絡依頼事項

 

(1)次回例会

    日 時:7月8日(第2土曜日) PM2:00~

    場 所:兵庫県立御影高等学校   ※通常と異なります。注意して下さい。

    内 容:「mol」の授業案環境実験その他

 

(2)再度「molの授業案」の募集依頼

 

 日頃からお考えのアイデアや実施例を持ち寄り、意見交換をしましょう。ここで発表していただいた内容を冊子にできたらと思っています。研究会および原稿等での参加・ご協力のほどよろしくお願いいたします。

 (連絡先)〒655-0004 神戸市垂水区学が丘3−2 兵庫県立舞子高等学校

     Tel 078-783-5151

      高田 泰英 <GZL02362@nifty.ne.jp>

 

(3)環境についての演示実験の協力依頼

 

 国際環境専門学校の木田さんより、8/7(月),8(火)に予定している環境についての演示実験と講演のうち、7日の演示実験において化学教育兵庫サークルへアイデアの提供依頼がありました。協議した結果、アイデアだけでなく、参加し、お手伝いすることになりました。つきましては、実験のアイデア・お手伝いいただける方を募集しております。現在数名の方が参加を予定しておりますが、できるだけ多くの方の参加・協力をお願いいたします。

 (連絡先)兵庫県立御影高等学校  Tel 078-841-1501  

               北川 英基 <kitahide@gol.com>

 

(4)伊丹市科学館の実験教室講師募集の依頼

 芝崎先生を通して、科学館から、子供対象に実験教室の講師の募集がありました。

 時期は、8月下旬と10月の2回です。「是非、参加したい」と思われる方は、お申し出下さい。現在、吉田先生(宝塚東)が「紙飛行機」で参加予定です。

 

(連絡先)武庫川女子大学付属高等学校    Tel 0798-47-6436

                芝崎  眞光 <m-shiba@psn.or.jp>

 

 

2.研究協議

 

(1)わかりやすい「mol」の授業

 

 提出されたものは4件のみであり、参加者の中で2件だけであった。協議した2件を中心に意見交換がなされた。他の2件については次回の研究会で協議する予定である。

 

1.吉田(宝塚東)

 ポイントとしては、「mol」があった方が便利と伝え、「6.0×1023個集めれば1mol」という導入を避けている。また、比を使う計算も極力していないことである。計算は、パターン化、簡略化して概念の理解を促している。

 

2.秋山(尼崎北)

 吉田先生とほぼ同じ考え方であるが、比を使って計算する方法を取り入れている。数値を簡略化し、「mol」の計算をイメージしやすく考慮している。

 「mol計算質問会」を開き、ドリル形式で問題を解く。教師や生徒同士で疑問を解決している。

 

この時点で、あらゆる意見が出た。

 ・指数計算の勉強をすべきだ。

   ・6.02を6.0でやれば「mol」に入りやすい。

   ・数値の簡略化は必要だ。

   ・簡略化だけを考えるのもよくない。

 ・「mol」と個数計算は重要ではないだろ。

 ・文系など化学を必要としない生徒には、はたして「mol」が必要か。

  そこで化学嫌いにするより、教えず化学に興味を持たせる方がよいのではないか。

次回も継続して意見交換をする予定である。

 

(2)赤リンの塩素酸カリウムの反応(北川)

 

 同素体でつくるリンの演示。赤リンと塩素酸カリウムを混ぜ、衝撃を与えることで爆発する。演示としてすぐにでき、生徒にも意識づけさせやすいものである。

 

(3)白リンの自然発火(安岡)

 

 「おもしろ実験ビデオ」でも扱ったもの。ざら紙の上におき、ビーカーの湯で温めると発火する。これも、同素体の授業の演示に使いやすいものであろう。十酸化四リンの煙に注意が必要である。

 

(4)結晶格子模型

 

 アクリルで格子を、原子は発砲スチロールで作ったもの。格子の並び替えもできる。ダイヤモンドの結晶構造がよい。また、大きな発砲スチロールで原子の重なりを見せるのは、頭の中の想像だけでなく、見えることでイメージしやすい。

 

(5)しょうゆの蒸留

 

 しゅうゆのような濃い色の液体を蒸留してうまくいくのか疑問であったが、簡単な器具できれいな蒸留ができた。残った液をエタノールで洗ってしまうと、沈殿物が細かくなり、扱いにくくなるため、メタノールで洗ってからエタノールを使うとよい。

 

(6)ガスバーナーの使い方の授業(安岡)

 

 不良のガスバーナーを蛇口に通して、水を流して教えると目に見えないガスの流れを見ることができ、それぞれの部分の機能が理解できる。