/ 兵庫県立尼崎北高等学校

 式 辞 

今年の冬は暖冬と言われましたが、そんな冬もいよいよ終わりを告げ、この尼崎の地にも穏やかな早春の息吹が感じられる今日のよき日に、兵庫県立尼崎北高等学校第六十九回卒業証書授与式を挙行するにあたり、本校PTA会長三角進弥様をはじめ、多数のご来賓の方々、また、多数の保護者の皆様のご臨席を賜りましたことは、卒業生はもとより、在校生や本校教職員にとりましても、この上ない喜びであります。高いところからではございますが、心よりお礼申し上げます。ありがとうございます。

ただいま卒業証書を授与いたしました第六十九回三二〇名の卒業生のみなさん、ご卒業おめでとうございます。

改めて皆さんに問います。入学したときに描いた夢はかないましたか。いま、卒業のときを迎えて、皆さんの胸にはどのような思いが去来しているのでしょうか。

人生百年といわれる今日、高校までに学んだことだけではとうてい追いつかない時代がやってきています。様々な目の前の課題に、どうやって対峙し解決し、どう活かすか。また、課題と簡単に言ってしまいましたが、本当の課題は表に現れているとは限りません。

 隠されている課題を探り当てる力、本当の課題は何かを把握して、それに対応することが求められています。そのためには、これまでに学んだ事が大切なことは言うまでもありませんが、さらに新しい知識、新しい技術を獲得することが必要です。でも、ピンチの隣にはチャンスがいます。そして自分にとっては手に負えない課題と思えることも、実はそんな大したことない、ということはよくあります。恐れずに課題に立ち向かってください。

私は本校に赴任した三年前に大変驚いたことがあります。それは、本校の生徒は本校の校訓がきちんと言える人が非常に多くいることでした。きっと本校で学んだ事の多くは「自主・自律・愛情・協調」に裏付けられたものだと思います。三年間、いわば同じ学び舎で学んで、同じ髄をつくったということかと思います。そしてこれは一生の宝だと思います。

最後に、高校三年間は単なる時間の経過ではなく、大切な友人との出会い、学業、部活動、様々な学校行事、なんということはない普通の日々も、あなた方にとってはとても大切な、かけがえのない三年間であったことと思います。みなさんの三年間の努力と研鑽に敬意を表すとともに、これからのさらなる飛躍を期待しています。新たな飛躍には、新たな決意が必要です。みなさんはこの輝かしい門出に際し、新たな決意を胸にしていることと思います。ぜひ頑張ってください。

保護者の皆様。

これまで本校に寄せられましたご厚情とご支援に対しまして、心より感謝申し上げます。これからも皆様方のご期待、ご信頼に応えるべく、本校教職員、一丸となって本校教育に取り組む所存でございます。来年、二〇二一年には本校は創立百周年を迎えます。皆様方におかれましては、今後ともこの県立尼崎北高等学校へのご支援、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

以上をもって式辞といたします。

令和二年二月二八日

兵庫県立尼崎北高等学校

校長 森井 裕史