「創立記念日」を迎えるにあたって

 1015日は、本校の創立記念日です。この機に八鹿高等学校の歴史を振り返り、 現在八鹿高等学校に学ぶ自分自身を見つめてほしいと思います。

 本校は、明治30年(1897年) 4月、わが国の代化の糧となる製糸業の発展の一翼を担うべく、 この八鹿の地に兵庫県簡易蚕業学校として誕生しました。 同じ頃に設立された長野県、福島県の蚕学校と並んで天下の3大蚕業学校と言われ、 長い間「蚕校(さんこう)」の名で親しまれてきました。

 以来、歴史の変動と苦難の時代を乗り越え、戦後の学制改革により昭和24年から兵庫県立八鹿高等学校が発足しました。 その後、現和田山高校、村岡高校が分校から独立するなど数々の変遷を経て、昭和51年には本校の設立母胎であった 農業関係の学科が県立但馬農業高等学校として分離独立し、現在の普通科だけの学校になりました。

 八鹿高等学校は本年で115年目を迎えました。110年を超える歴史を持つ高等学校は、但馬では本校を入れてわずか2校であり、県下でも数えるほどしかありません。 この間、粘り強く真理を探究する校風と伝統を受け継ぎながら、地元の中枢学府とし活力ある地域づくりに貢献し、 政治・経済、文化・学術など幅広い分野で全国的に活躍する有為な人材を輩出してきました。 こうした誇り高い伝統を引き継いでの足跡は、先生、生徒、同窓生、それに地域の方々のたゆみない努力の 積み重ねの結晶と言えます。現在のように立派な校舎、3万人をえる卒業生、 数々の輝かしい業績の歴史は、決して一朝一夕になったものでないことに思いをいたし、 本校の歴史と伝統に改めて敬意をはらわねばならないと思います。

 在校生の皆さんは、多くの卒業生が母校として大切にている八鹿高等学校の名誉と、 今も築きつつある本校の歴史に責任を負っています。創立記念日にあたって、 校訓にある「尋師訪友 克己勉励」の意味を改めてかみしめ、皆さんの日常の生活が その責任に応えているかどうかを振り返り、伝統ある八高等学校の発展と美しい校風づくりに努める自覚を一層強める ことを切望します。

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