ゆず

特徴

 ゆずは、昔から日本のらしに深く溶け込とこんできた果物です。果皮からも果じゅうからもすがすがしいかおりがします。ゆずは主に料理のアクセントとして使われ、少量でも料理が引き立ちます。

 原産地は、中国揚子ようすこう上流で、奈良なら時代にはすでに薬用として栽培さいばいされていたようです。かんきつ類の果物の中では最も寒さに強く、東北地方をふくめて全国で栽培さいばいされています。主産地である高知県と徳島とくしま県で全国約70%を栽培さいばいしています。果実と果じゅうでの出荷しゅっかがほとんどです。

 
地域との関係

 兵庫県では、昭和50年神崎郡神河かみかわ町で村おこしのためにゆず栽培さいばいが始まりました。現在げんざいでは、10haの産地となっています。農家から集まってきたゆずは、自動選果機じどうせんかきによって大きさで選別されます。S・Lサイズは、水あらいされ、皮のついたまま丸ごと圧縮あっしゅくしてしぼられます。このしぼられたしるが、ゆずとして出荷されます。ゆずは、本来のとはちがいますが、さわやかなかおりとさん味が人気です。Mサイズは、冬至とうじのゆず湯用に出荷されます。県内では、他に姫路ひめじ安富やすとみ町や相生市でも生産しています。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 ゆずは、えぐみや苦みが出ないようにきつくしぼらないようにこだわっています。

 マーマレード用に皮を冷とう保存ほぞんして品しつを落とさず、1年中販売はんばいする工夫をしています。

 ゆずの木には、5㎝ほどの長いとげがあります。収穫しゅうかくする時に一番気をつけるのは、そのとげでけがをしないようにすることです。顔や手を引っかいたり、折れたえだむと、くつけ、足をけがしたりします。そのため、ヘルメットや皮の手ぶくろ、長ぐつをはき、ふせいでいます。また、台風の影響えいきょうでゆずがゆれ、とげでゆずの実がきずつくこともあります。品しつが下がるので心配です。

 
学びのひろがり

 ゆずやゆずを使った料理を実習することにより、子どもにはなじみの少ないゆずを身近に感じ、かおりを大切にしてきた食文化にれることができます。

 ゆず湯と冬至とうじとの関係を知ることで、季節ごとの日本の伝とう行事を学ぶきっかけになります。

 
給食にも登場!

ゆずゼリー・・・ゆずゼリーを食べると、口の中いっぱいにゆずの香りとあまっぱさが広がります。

◆材料(10個分)

こな寒天 4g
4カップ
さとう  85g
ゆずマーマレード 80g
ゆず 大さじ3弱

◆調理手順
①粉寒天を水に入れてふやかす。
②鍋に①と水を入れ、煮とかしてから砂糖を加えて煮る。
③砂糖がとけたらゆず酢を加え、火を止めてあら熱をとり、ゆずマーマレードを入れた容器に流し込む。

栄養士
 
給食一口メモ

 ゆずどく特のかおりは、わたしたちをホッといやしてくれるリラックスこう果があり、いそがしい日じょう生活にゆとりを感じさせてくれます。

 ビタミンCがかんきつ類のなかでは一番多くふくまれているので、風邪かぜなどの病気に対する免疫力めんえきりょくを高め、疲労回復ひろうかいふくこう果があります。

 かんきつ類の中では寒さに強く、日本各地で栽培さいばいされています。