やまのいも

特徴

 やまのいもは、さまざまな栄養えいよう成分せいぶん豊富ほうふふくんだ食品です。それに生食なましょく可能かのうなため、これらの栄養成分を加熱・調理によって失うことなく食べることができます。その代表的な食べ方が「とろろ」です。とろろめしなどで流し込むようにして食べても、腹にもたれず消化しょうか不良ふりょうになりません。江戸えど時代から丹波篠山ささやまで栽培されてきたやまのいもは、兵庫県の伝統でんとう野菜の一つで、丸くてごつごつしたいもです。

 
地域との関係

 篠山の盆地ぼんちでは、夏は気温が上昇し、適当に雨がり、反対に秋には気温がぐっと下がってきりが深くなります。この気候が、やまのいもを育てるのに適しています。そのため、丹波篠山では、「霧芋」(キリイモ)とも呼ばれています。また、改良を重ねて、すりおろすとねばりの強い品質の良いものになりました。丸くてごつごつしたやまのいもは、県内の80%以上、日本全国の30%以上が丹波地域で作られています。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 冬場から土作りをし、4月初旬しょじゅんたねいもを植え、11月ごろ収穫しゅうかくします。夏場の草引きが大変です。イノシシに植えたたねいもを食べられたこともありました。収穫しゅうかくは、手で1個ずつきずつけないようにり出しています。土の中で成長したやまのいもをり出すときが何よりの楽しみです。にぎりこぶしくらいのまんまるとした形をしたものが出てきたらうれしいです。

 
学びのひろがり

 丸くてごつごつしたいもをさわったり、このいもの名前を予想したりして、やまのいもに興味きょうみを持たせることができます。

 やまのいものつるで「緑のカーテン」(日よけ)を作ることができるので、環境かんきょう教育の視点してんからも取り上げることができます。そして、収穫しゅうかくしたやまのいもをすりおろして、とろろを作り、美味おいしくいただくこともできます。

 
給食にも登場!

やまのいものかきあげ・・・やまのいもの上品な食感と、純白じゅんぱくな色合いが楽しめます。

◆材料(4人分)

やまのいも 1/2こ
さくらえび 30g
さやいんげん 4本
小麦粉 大さじ2
かたくり粉 大さじ1
1/3こ
小さじ1/2
あげ油  

◆調理手順
①小麦粉、かたくり粉、卵、塩をあわせてころもを作る。
②①にさくらえび、適当な大きさに切ったやまのいも、さやいんげんを入れてまぜる。
③②を油で揚げる。

栄養士
 
給食一口メモ

 やまのいもは、他のいもとちがって、でんぷんを分解ぶんかいする酵素こうそ(ジアスターゼ)を多く含むので、消化が良く、疲労ひろう回復かいふく高血圧こうけつあつ防止ぼうしなどのこう果もあり、さまざまな料理に使われています。また、全国の丸いやまのいもの中でも、丹波のやまのいもが最もアミノさんを多くふくんでおり、それがおいしさの秘密ひみつになっています。