万願寺とうがらし

特徴

 万願寺まんがんじとうがらしは、京都府きょうとふ舞鶴市まいづるし発祥はっしょうの野菜です。舞鶴市まいづるしにある万願寺まんがんじ地域ちいき誕生たんじょうしたことから、「万願寺まんがんじとうがらし」という名がついたと言われています。大正末期から昭和にかけて、伏見ふしみけいのとうがらしとカリフォルニア・ワンダーけいのとうがらしを交配して誕生たんじょうしたものです。果肉かにくが大きくて分厚ぶあつく、やわらかくあまみがあり、種が少なく食べやすいことが特ちょうです。

 あまとうがらしと一口に言っても、代表的な物にししとう、万願寺まんがんじとうがらし、伏見甘ふしみあまとうがらし、山科やましなとうがらしなどがあります。ピーマンやパプリカなどもあまとうがらしの部類となります。

 県別生産量は、高知県がトップで、千葉県、和歌山県の順となっています。

 
地域との関係

 加西市かさいしでは、8年前より生産が始まり、当初は「万願寺まんがんじあまとうがらし」の名で販売はんばいされていました。からみが少なく、肉厚にくあつでやわらかくて食感が良いと大好評こうひょうで、加西市の新しい特産物として「日女ひめみどり」という名前がつけられました。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 「日女ひめみどり」はとてもデリケートで、作るのがとてもむずかしく苦労します。特に、暑さに弱く最近の夏は暑くてりが多く、すぐに水ぶくれができてしまいます。りが続いたときは、気をつけて水かけを十分に行っています。 日女ひめみどりは、まだ新しい品種ですが、地元の人には肉厚にくあつでやわらかいと好評こうひょうなので、これからもっと多くの人に食べてもらって、広まっていくことを願っています。

 
学びのひろがり

 万願寺まんがんじとうがらしは、夏野菜として学校の畑などで栽培さいばいすることができます。肉厚にくあつでやわらかくてにがみが少なくピーマンが苦手な子どもにもおすすめです。おいしくて調理も簡単かんたんで、「煮てよし、げてよし、いてよし」と料理のはばも広がり、生活科や家庭科の調理実習で地元の特産品を生かした料理を作ることができます。

 
給食にも登場!

なすと万願寺まんがんじとうがらしのびたし・・・ごはんによく合う和風のメニューです。

◆材料(4人分)

万願寺まんがんじとうがらし 4本
なす 1本
だしじる 1カップ
みりん 大さじ2
しょうゆ 大さじ1
かつおぶし 1g(1パック)
あげ油 適量

◆調理手順
①万願寺とうがらしとなすを素揚げしておく。
②だし汁に調味料を加えて煮立て、①を熱いうちに入れてひたす。
③かつおぶしをまぶす。

栄養士
 
給食一口メモ

 万願寺まんがんじとうがらしには、ビタミンAやビタミンCが多く含まれ、夏場のビタミン補給ほきゅう最適さいてきです。また、食欲しょくよく増進ぞうしん効果こうかのカプサイシンも多く、夏バテ予防にもなります。

 とうがらしの原産地は中南米で、数千年前から食用として栽培さいばいされていました。日本には、1500年代に伝わりました。