卵（たまご）

　一般いっぱんに卵たまごというとにわとりの卵たまごを指すことが多く、生のものを「卵たまご」、料理したものを「玉子」と書きます。卵たまごは栄養価かが高く、完全栄養食品といわれて世界中で食べられている食材です。日本では、雌めすだけを小さい金網あみのかごに入れて飼かい、効率こうりつよく卵たまごを産ませる方法（ケージ飼がい）が多く、１羽のにわとりは１年間に２８０個こほどの卵たまごを産みます。殻からの色はにわとりの種類によってちがい、羽の色が白いにわとりは白い殻から、茶色のにわとりは茶色の殻からの卵たまごを産みますが、栄養価かは変わりません。

　卵たまごを産ませるためのにわとりを採卵さいらん鶏けいといいます。県内の採卵さいらん鶏けいの半分以上が、姫路ひめじ市、赤穂あこう市、上郡町などで飼かわれています。昭和３０年代の後半に、夢前ゆめさき町（今の姫路ひめじ市）では、家で１００～２００羽程度ていどを飼かう小規模しょうきぼな養鶏ようけいが副業として広まりさかんになりました。最盛期さいせいきは５００軒けんもあったそうです。最近は小さい養鶏場ようけいじょうは減へって、何万羽ものにわとりを飼かい、自動で卵たまごを集めて洗あらってパック詰づめまで行う大きな養鶏ようけい場が多くなっています。

　卵の殻からは、チョークになったり、おかしなどのカルシウム強化に使われたり、エッグアートができたり、幅はば広い利用法に目を向けることができます。卵はつなぎとして様々な食品に使用されています。卵を通じて、食品表示への興味きょうみづけができます。

　卵たまごは、体をつくるたんぱく質しつのほか、かぜの予防よぼうに効果こうかがあるビタミンＡ、骨ほねをつくるのに欠かせないビタミンＤ、老化を防ふせぐビタミンＥや、血を作る鉄などの無機質しつもいろいろふくんだ栄養たっぷりの食品です。でも、ビタミンＣと食物繊維せんいは含ふくまれていないので、野菜といっしょに食べるといいですね。