ペッチンうり

特徴

 うりが日本に伝わったのは、縄文じょうもん時代といわれています。ペッチンうりは、古くから加古川市を中心とした東播磨ひがしはりま地方で栽培さいばいされてきました。「池田ペッチン」とも言われ、もともとは生食用でした。現在げんざいでは、浅漬あさづけやぬかけ用に栽培さいばいされています。やわらかい歯ごたえとほのかにあまみがあるのが特徴とくちょうです。

 
地域との関係

 兵庫県では江戸えど時代に栽培さいばいが進んだといわれており、1890年ころに「ペッチンうり」という名前で栽培さいばいが始まったとされています。東播磨はりま・西播磨はりま地方は遠浅の海岸が多かったため、砂地すなちが多く、栽培さいばいてきしていたため、古くから栽培さいばいされていたと考えられます。いずれも淡泊たんぱくな味なので、の物やけ物などにして食べるのが一ぱん的です。パリッとした食感が好まれています。

 うりの種類は多く、マクワウリや網干あぼしメロンなどたくさんの種類のうりが栽培さいばいされています。しかし、自家消費用に作っていた農家が多かったため、他の地いきには、あまり流通されていなかったようです。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 浜手はまて環境かんきょうてきしており、作りやすいため、栽培さいばい農家を増やそうとがんばっているところです。また、コンスタントに作るために、時期をずらして栽培さいばいしています。しかし、ペッチンうりは漬物つけもの用がほとんどのため、たくさん生産しても消費需要じゅようがないことがなやみです。また、漬物つけものとして売ることが多いので、売ってもらう場所のかく冷蔵庫れいぞうこ確保かくほなどの問題があります。

 
学びのひろがり

 名前の由来は、完熟かんじゅくしたときの表皮が別珍べっちん(ビロード)にていたことや、実をつめでたたくとペッチンと音がしたら収穫しゅうかく時期がきているとされたことから、名前がつけられたとされています。食べ物の名前の由来について興味きょうみをもたせることができます。

 また、「うり二つ」などの言葉から、ことわざの学習のきっかけにできます。

 
給食にも登場!

浅漬け 糠漬け 奈良漬

◆調理手順
①ぺっちんうりは縦半分に切って種をとり除き、きれいに洗う。
②容器に①を並べ、調味料、きざんだ出し昆布、タカノツメ等を加えて重しをする。



栄養士
 
給食一口メモ

 ペッチンうりはマクワウリの一種で、カリウム、ビタミンBを多くふくんでいます。中は黄色く、完熟かんじゅくしたものはメロンのようにあまかおりもよいため、生食でもあまいウリとして食べることができます。