なす

特徴

 なすは、夏から秋にかけてむらさき色の花を開き、こいむらさき色の実をつけます。他の野菜と比べて栄養価えいようかやカロリーは高くはありませんが、食物しょくもつせんいが比較的ひかくてき多く含まれています。焼く、る、げるなどあらゆる方法で調理され、淡白たんぱくな味で他の食材とも合せやすいです。

 全国では高知県が出荷量しゅっかりょう1位です。外国からの輸入ゆにゅうは、あまり多くありません。

 
地域との関係

 丹波地域では、なす作りがさかんです。4月に苗を植えて、5月下旬~11月上旬まで収穫しゅうかくすることができます。丹波市春日町で生産される「春日なす」は、うすくつややかな皮に、やわらかく厚みのある肉質です。昼と夜の温度差の大きい気候が、やわらかくてジューシーな「春日なす」を育てるのに適しているからです。また粘土ねんどしつ土壌どじょうは、なすの根を成長させたり、健全けんぜん状態じょうたいにしたりするのに欠かせません。県下では宍粟しそう市でもさかんに栽培さいばいされています。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 なすは、土作りが大切です。たいをたくさん入れて土をやし、根を健全な状態にします。また、なすが成長してきたら、整枝せいし(枝を4本、または6本伸ばして固定こていする)や、剪定せんてい(必要のない枝を切ったり、光が入るように葉をとったりする)をすることで、1本から100個のなすを収穫することができます。今後も、品質の良いものをたくさん作っていきたいです。そして、「春日なす」の良さを多くの方に知ってほしいと思っています。

 
学びのひろがり

 なすは、育てやすい野菜です。そこで、生活科で畑や学級園でなすを栽培することができます。また、栽培したなすを観察かんさつしたり、収穫しゅうかくして食べたりすることで、野菜に興味きょうみを持ったり、野菜が好きになったりします。「加茂かもなす」「水なす」など各地方の伝統野菜を調べるきっかけにもなります。

 
給食にも登場!

なすとピーマンのみそ炒め・・・子どもの苦手なナスやピーマンをお肉で合わせたり、みそで味付けたりすることで、夏野菜克服こくふくメニューの完成です。

◆材料(4人分)

豚肉 60g
なす 中2本
ピーマン 2こ
しょうが ひとかけ
こい口しょうゆ 小さじ1/2
小さじ1
サラダ油 少々
あげ油 適量
みそ 小さじ2
さとう 小さじ2
みりん 小さじ1/3
ごま 小さじ1

◆調理手順
①豚肉にしょうが、しょうゆ、酒で下味をつける。
②ピーマンとなすを油通ししておく。
③豚肉を炒め、②を入れて調味する。ごまを入れて仕上げる。

栄養士
 
給食一口メモ

 なすの原産地げんさんちはインドで、奈良なら時代に中国より伝わり、古くから日本人に親しまれてきた野菜です。なすは水分を多く含み、暑い夏には体を冷やすはたらきがあります。油と相性あいしょうが良く、げ物やいため物にするとおいしく食べることができます。また、濃厚のうこうな味付けの料理に合うため、和洋わよう中華ちゅうかはば広い調理に活用されます。