きゅうり

　きゅうりは、ウリ科の1年生つる草で、インドのヒマラヤ地方が原産です。日本でも平安時代から食べられていたという記録があります。旬しゅんは夏ですが、みずみずしさや、あっさりとした味わい、あざやかな緑色には利用価値かちが高く、品種の改良やハウス栽培さいばいなどにより年間を通じて出回っています。

　昭和25年に宍粟しそう郡安富やすとみ町（今の姫路ひめじ市安富やすとみ町）に「大和三尺じゃくきゅうり」が導入どうにゅうされて栽培さいばいが始まりました。栽培さいばいは宍粟しそうの気候風土に適てきしており、昼夜の温度差があるため味も良くなり色もあざやかさが増まして、昭和33年に「宍粟しそう三尺じゃくきゅうり」が誕たん生じょうしました。その後宍粟しそう郡全体に広がり、最盛期さいせいきには神戸市場の入荷の65％をしめて「宍粟しそうきゅうり」の名前は全国に知られるほどでしたが、今では消費者の好みが変わり、宍粟しそう三尺じゃくの栽培さいばいはへっています。

　きゅうりは、兵庫県内の全ての地域いきで栽培さいばいされています。

　おいしいきゅうりをつくるため、成長を見ながら毎日畑へ行ってわき芽や花を摘つんで管理をします。実がなり始めると、ちょうど良い大きさで収穫しゅうかくするために、多い時は朝、昼、夕と1日に３回も畑に行って収穫しゅうかくします。

　昔のきゅうりと今のきゅうりを比較することを通して、いぼがなくなったり、かたちがまっすぐになったりしていることに気づき、消費者の好みに合わせた品種改良の努力を学ぶことができます。兵庫の伝統でんとう野菜である「宍粟しそう三尺じゃくきゅうり」は漬物つけものに向く品種で、栽培さいばいから加工まで校内で体験でき伝統でんとう野菜を知るきっかけになります。

　きゅうりはハウス栽培さいばいがさかんで、１年中出回っていますが、旬しゅんは夏で、昔から夏バテぎみの体に水分を補給ほきゅうする役目がありました。夏の暑い日差しを浴びて育ったきゅうりには、体のほてりをしずめる働きがあります。よくかんで食べ、きゅうりのパワーをいただいて夏を元気にすごしましょう。

　ビタミンKやカリウムが多く、腎臓じんぞうの働きを良くしたり、腎臓じんぞう病を予防よぼうする働きがあります。