くり

特徴

 「くり」は、秋の味覚みかくを代表する食材の一つです。6月ごろにうす黄色の花がふさのように咲き、秋にいががやぶれて実が落ちます。栄養えいよう豊富ほうふで、デンプン、タンパクしつ、ビタミンBなどが多くふくまれています。日本各地で栽培さいばいされていますが、その中でも、「丹波くり」の歴史れきしは古く、平安へいあん時代から天皇てんのうけんじょうされ、江戸えど時代には、丹波の大名だいみょうが将軍に献上しました。つぶが大きく、しかも美味びみであったことから、やがて全国にその名が広まりました。

 
地域との関係

 兵庫県下では、阪神地域(猪名川いながわ町)や、播磨はりま地域(佐用さよう町)でもさかんに作られています。

 丹波地域は、くり作りに適した水はけの良い里山が多くあります。くりの木が深く根を張れる土壌どじょうと、昼と夜の気温差が大きい気候により、糖分とうぶんが増し、他県のくりにはまねのできない甘味あまみと、ホクホク感がある「丹波ぐり」が収穫しゅうかくできます。また、丹波地域は山が多く、昔から広い田んぼが作りにくい地形でした。そこで、くりを作って、そのすぐれためぐみを受けたと考えられています。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 ひょうご安心ブランド農産物にしていただき、安心して喜んで食していただけるように、味はもちろん、新鮮しんせんさにも気をつけながら生産に取り組んでいます。収穫量を増やすためには、木の剪定せんていが大切です。日光がよく当たるように、時間をかけて一本一本の木の枝を切り、形を整えます。今後は、後継者こうけいしゃの育成にも力をそそぎ、篠山の特産である丹波ぐりを守っていきたいです。

 
学びのひろがり

 いがぐりの絵を描いたりさわったりすることで、くりに興味を持たせることができます。食材として活用し、湯がいて食べたり、くりご飯を作ったりすることもできます。

 
給食にも登場!

くりごはん・・・くりの黄色があざやかです。くり甘味あまみをお米が吸い込んで、味わい深い秋ならではのご飯になります。

◆材料(4人分)

2合
むき くり 100g
小さじ2
小さじ1/2

◆調理手順
①米をといで、調味料を入れて水加減し、むき栗を加えて炊きあげる。

栄養士
 
給食一口メモ

 丹波地方では、秋祭りになると、くりもちやくりおはぎがならびます。くりを100%使って作るくりあんは、上品でおいしく忘れられない味です。しかし保存ほぞんできないので、その日のうちに食べなければならない、とても貴重きちょうでぜいたくな食べ物でもあります。

 くりは収穫した後、糖度とうどが増していくので、80度の湯に1分間浸漬しんせきしたあと、陰干かげぼしし、穴を開けたビニールぶくろに入れて、冷蔵庫れいぞうこぞんしたものを使うと、よりおいしく食べることができます。