いかなご

特徴

 いかなごは、やわらかい魚で、漢字では「玉筋魚いかなご」と書きます。いかなごが水面を長いむれ(玉)をなして泳ぐ様子からきています。明石市では「いかなご」とよびますが、関東や四国の愛媛えひめでは稚魚ちぎょを「小女子(こうなご)」とよばれています。成長にしたがってよび方が変わっていきます。

 
地域との関係

 明石市など、瀬戸せと内海の春の風物詩といえば、いかなごの新子漁(しんこりょう)です。そのまま塩ゆでした「釜揚かまあげ」や醤油しょうゆ砂糖さとう、しょうがを立てて、短時間であげる「くぎ」にして食べます。瀬戸せと内海には、明石海峡かいきょうから広がる砂地すなじ浅瀬あさせがあり、この砂地すなじにいかなごが住み着いています。漁獲ぎょかく高は、19,999tと全国1位です。(兵庫のすがた2013より)漁は、日の出前の早朝から行われ、数え切れないほどの漁船が列をなします。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 新鮮しんせんでおいしいいかなごを、魚のえさとするだけではもったいないと考案されたのが、「釜揚かまあげ」や「くぎ」だと言われています。両方ともいかなごの新鮮しんせんさが命で、「くぎ」は新鮮しんせんでなければ「く」の字に曲がりません。朝の10時頃には、新鮮しんせんないかなごが店頭にならべられるよう、4時ごろには漁に出て、9時ごろには港にもどってくるようにしています。

 
学びのひろがり

 いかなご漁は春の風物詩です。季節ごとの風物詩や季語を調べることができます。また、3月になると、イカナゴのれを船曳網ふなひきあみ漁業の船だんが追いかけます。魚の種類しゅるいや海の状況に合わせた漁法について学ぶことができます。

 
給食にも登場!

いかなごのくぎ・・・春をつげるいかなごをあまからくたきました。ごはんに合います。

◆材料(4人分)

いかなご 120g
こい口しょうゆ 大さじ1・1/2
さとう 大さじ3
小さじ1
みりん 大さじ1
しょうが ひとかけ

◆調理手順
①鍋に調味料を入れて煮たて、きざんだしょうが、いかなごを入れる。(各1/4量)
②いかなごの色が変わったら繰り返し、アルミホイル等で落としぶたをして煮る。
③煮汁がほとんどなくなったら火を止めて、バットや皿にとって冷ます。

栄養士
 
給食一口メモ

 いかなご漁は、瀬戸せと内海の春の風物詩として2月下旬げじゅんからはじまります。この時期にとれたいかなごをくぎにします。とくに淡路島や播磨地域はりまちいきから神戸市にかけての瀬戸内海せとないかい沿岸えんがんの名物となっています。くぎの由来は、いかなごのたきあがったすがたが「折れ曲がった古くてさびたくぎ」にているところから名付けられたそうです。あまからい味で、カルシウムたっぷりです。