いちご

特徴

 いちごの育て方には、太陽や雨や風が直接あたる畑で育てる露地ろじ栽培さいばいとハウス栽培さいばいの二つの方法があります。露地ろじ栽培さいばいのいちごは、春から初夏にかけて花が咲き実をつけ、収穫しゅうかく時期は5月~6月の約1ヶ月です。暑さに弱いため気温が上がってくると実をつけなくなります。そのため、夏場はいちごが少なくなるので、アメリカなどから輸入しています。

 全国では、栃木県、福岡県、熊本県などでたくさん生産されています。

 
地域との関係

 兵庫県では、明治32年頃西宮市鳴尾なるお町あたりでいちごの栽培さいばいが始まり、阪神電車とタイアップしたいちごり園などが伊丹、宝塚、神戸市に広がっていきました。戦前のいちご栽培さいばい面積は、兵庫県が全国一をほこっていました。昭和35年に兵庫県試験場で「宝交ほうこう早生わせ」という収穫しゅうかく量が多いすぐれた品種が開発され、昭和50年代には全国の60%近くをしめていました。現在では、特に神戸市北区、加西市、加古川市と都市とし近郊きんこうで多く栽培さいばいされています。また、徳島や淡路地域でも栽培されています。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 いちごを安定して収穫しゅうかくできるようにハウス栽培さいばいを行う農家が多く、スーパーなどで売られているいちごのほとんどが、ハウス栽培のものです。ハウスでは風などで自然に受粉することができないので、ミツバチを放して受粉させます。夜間に光をてたり二酸化炭素にさんかたんそを入れたりして多く収穫しゅうかくするための工夫をしています。また作業の省力化しょうりょくかのため、立った姿勢でいちごの手入れやみ取り作業ができる高設こうせつ栽培や土を使わない栽培さいばい方法などが、研究開発されています。いちご農家は、お客さんに直接ちょくせつはん売したり、いちご狩りの観光農園をいとなんだりして得られる、お客さんとの会話やコミュニケーションを、とても楽しみにしています。

 
学びのひろがり

 ハウス栽培と露地栽培ろじさいばいちが いを知ることで、環境学習につながります。ハウス栽培について調べることで、いちご作りの様子や工夫、出荷の方法について学ぶことができます。ランナーとよばれるツルでふやすいちごの 繁殖はんしょく方法を知り、植物の育ちに関心を深めることができます。

 
給食にも登場!

いちごジャム・・・いちごのあまっぱさと美しい赤色を楽しめます。

◆材料

いちご 1パック
さとう 80g
レモンじゅう 大さじ1

◆調理手順
①いちごを洗って水切りしたものを鍋に入れて砂糖をまぶす。
②①に水が出てきたら、火にかける。
③好みの固さになるまで煮詰め、火を止めてレモン果汁を混ぜる。

栄養士
 
給食一口メモ

 いちごは「りんご」や「なし」と同じバラ科の植物で多年草です。原産地は南米だといわれています。いちごには、ビタミンCが豊富に含まれていて、大粒6個(約160g)を生で食べれば、1日分のビタミンCをることができるほどです。免疫力めんえきりょくを高め、病気への抵抗力をつけ、丈夫じょうぶな体作りに役立ちます。他にも血糖値けっとうち上昇じょうしょうやコレステロールの吸収をおさえる食物しょくもつ繊維せんいのペクチンもふくまれています。