あなご

特徴

 うなぎに()て細長い円筒形(えんとうけい)をしていますが、体の中尺(なかしゃく)に白い点々が(なら)んでいることと、うろこがないことが特徴(とくちょう)です。生態(せいたい)はまだ解明(かいめい)されていない部分も多いです。

 国内では、愛知県、長崎県、兵庫県の順に多く水()げされています。東京(わん)で取れたあなごは「江戸前(えどまえ)あなご」として有名ですが、瀬戸内海のあなごもこれに匹敵(ひってき)するくらい有名です。しかし、現在(げんざい)では漁獲量(ぎょかくりょう)も減ってきています。近年では、国内の漁獲量(ぎょかくりょう)が頭打ちで、韓国・中国からの輸入(ゆにゅう)()えてきています。

 
地域との関係

 瀬戸内海(せとないかい)は、岩礁(がんしょう)から()泥地(でいち)まで地形の変化に()んだ地域(ちいき)です。また、浅く、(かく)れ場所も多く、えさになるえびやかに、小魚が多いため、あなご類が生息するのに(てき)した条件(じょうけん)がそろっています。

 瀬戸内(せとうち)に多く生息していますが、中でもまあなごは明石から赤穂(あこう)にかけての瀬戸内海(せとないかい)河口堰(かこうぜき)一帯、特に加古川河口堰(かこうぜき)一帯に多く生息しています。

 
生産者の工夫、ねがいや思い

 低価格(ていかかく)で、安定して供給(きょうきゅう)できるようにがんばっています。しかし、国内では不漁続きで、あなご漁からほかの海産物に変えて漁をする人も出てきました。自然相手なので、どうしようもないこともたくさんありますが、頑張(がんば)って続けたいと思っています。

 また、漁の方法がたくさんある(はえなわ漁・底引き(あみ)漁・あなご(つつ)など)ので、場所や時期に(おう)じて使い分けています。養殖(ようしょく)に向けて、研究が進められているところです。

 
学びのひろがり

 関西では焼く((やき)穴子(あなご))、関東では()る(()穴子(あなご))が主流であることから、食文化について知るきっかけになります。漁獲量(ぎょかくりょう)減少(げんしょう)乱獲(らんかく)なのか、海の(よご)れなのかなど環境(かんきょう)問題や社会問題を考えるきっかけにもなります。

 
給食にも登場!

あなごのちらしずし・・・播磨(はりま)地方では、焼きあなごをちらしずしに入れるのが定番です。

◆材料(4人分)

すしめし 4人分
きざみあなご 40g
干ししいたけ 2枚
高野豆腐(こうやどうふ) 1/2枚
にんじん 1/8本
ごぼう 1/4本
コーン 20g
グリンピース 12g
さとう 小さじ2
しょうゆ 大さじ1/2
小さじ

◆調理手順
①飯を炊き、合わせ酢をあわせる。
②戻した干ししいたけ、高野豆腐、にんじん、ごぼうを適当な大きさに切り、煮含める。
③①と②を混ぜ、刻み穴子、ゆでたコーン、グリーンピースを散らす。

栄養士
 
給食一口メモ

 まあなごはビタミンAが豊富(ほうふ)で、うなぎ・はもについで多いです。また、DHA(ドコサヘキサエン(さん))やEPA(イコサペンタエン(さん))も多く含まれています。

 あなごの八幡巻(やわたまき)は、兵庫県の郷土(きょうど)料理の一つで、()たごぼうをあなごで()いたものです。おせち料理の一品としても使われています。

 また、食用にされるあなごはまあなごとくろあなごぐらいで、ほとんどは食用ではありません。最近水族館で人気のちんあなごも仲間です。