褐色環反応(褐輪反応)・炎色反応・塩素とナトリウムの反応

ChEC Hyogo 化学教育兵庫サークル 平成28年度 6月例会 (会場:須磨東高校)
日時 2016/6/4 (土)
概要 1.褐色環反応(褐輪反応)
2.多人数に見せる炎色反応
3.塩素とナトリウムの反応


1.褐色環反応(褐輪反応)
硝酸塩はすべて水に可溶であるため、硝酸イオンの検出にはこの反応が用いられる。
今回は、褐色環反応を生徒実験で行う場合、どの手順が操作しやすいかを検討した。
褐色環反応 褐色環反応 褐色環反応 褐色環反応
左から2枚目:褐色輪が生成。左から3枚目:硝酸ナトリウム溶液を使用。4枚目:亜硝酸ナトリウム溶液を使用
1. 2mol/L硝酸5mLを試験管にとる。
2. 駒込ピペットを使い、冷却しながら濃硫酸5mLを混ざらないように器壁を伝わせて加える。
3. 駒込ピペットを使い、硫酸鉄(Ⅱ)水溶液を混合溶液に加える。
4. 硝酸イオンが鉄(Ⅱ)イオンにより還元され、暗褐色の[Fe(NO)]SO4を生じる。写真のように境目付近に褐色の層を生じる。

調べた範囲では、
a.濃硫酸を最後に加える方法
b.希硝酸を最初にとり、濃硫酸を加える方法
c.濃硫酸を最初に取って進める方法
があった。 a の手順は、最後に密度の大きい濃硫酸を加えるとき、溶液が混合しやすい。c の手順は濃硫酸に水溶液を加えるため発熱して危険である。 b の手順(上記の手順)が操作しやすい方法であると思われる。
また、亜硝酸イオンでも褐色環が生成するとあったので、希硝酸の代わりに亜硝酸ナトリウム水溶液で実験を行ったが、反応が激しく、生徒実験では希硝酸を用いる方がよい思われる。


2.多人数に見せる炎色反応(武庫川女子大学附属高等学校 北川先生より)
炎色反応 炎色反応 炎色反応 炎色反応
1. キムワイプを長く四つ折りにして巻く。巻き戻らないようにするため、針金の輪で止める。
2. 金網に乗せた蒸発皿に立てて、炎の芯する。
3. 各金属イオンの溶液(水溶液にメタノールを加える)を駒込ピペットで、芯に5mLを注ぎかける。
4. チャッカマンで点火する。
5. バリウムは炎色反応が弱いので、塩化バリウムの結晶をピンセットで挟み直接バーナーの炎の中に入れてもよい。


3.塩素とナトリウム(武庫川女子大学附属高等学校 北川先生より)
炎色反応 炎色反応 炎色反応 炎色反応
1. 試験管に高度さらし粉を少量取り、駒込ピペットで濃塩酸数滴を滴下し、塩素を発生させる。
2. 試験管に金属ナトリウムの小片をとり、ガスバーナーで加熱し、融解させる。
3. 駒込ピペットで塩素を吸い取り、ナトリウムの入った試験管に吹きかける。
4. 塩素とナトリウムが反応する。
5. 試験管を傾けて、生成した塩化ナトリウムをガスバーナーの炎に落とすと、ナトリウムの炎色反応が見られる。


4.硫化銀と重曹の反応について
28年度入試問題より
シルバーの指輪をつけたまま温泉に入ると指輪が黒くなるのは、指輪表面の銀の単体が、温泉に含まれる硫化水素などの硫黄化合物と 反応して、Ag2Sを生成するためである。
[設問]
黒くなった指輪を適当な大きさのアルミニウム箔にのせて耐熱ガラスのボウルに入れ、上から重曹NaHCO3の粉末を振りかけ、 お湯をかけて放置したところ、気体(硫化水素と二酸化炭素)が発生して、すみやかに金属光沢が回復した。このとき進行した反応の化学反応式を書け。
3AgS + 2Al → 6Ag + Al2S3
高温で硫化アルミニウムは加水分解する。
Al2S3 + 3H2O → Al(OH)3 + 3H2S

重曹は電解質溶液にするために加える。塩化ナトリウムを加えてもよい。


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