阪神・淡路大震災により心の健康について教育的配慮を要する児童生徒の状況について


 
 本調査は、阪神・淡路大震災によって心の傷を受け、精神的に不安定な状況にある児童生徒の状況等を把握し、その心の理解とケアへの取組みに資するため、平成8年度から実施しているものである。今年夏に行った平成13年度の調査結果の概要は、以下のとおりである。
1 調査時期:平成13年7月1日現在
2 調査対象:県下の小学校837校3分校、中学校360校3分校、計1,197校8分校
3 阪神・淡路大震災で被災し、別紙の症状等を示す児童生徒の状況等に関する各学校からの報告をもとに整理した。

 1 教育的配慮を要する児童生徒数について
 2 教育的配慮を要する児童生徒の要因別内訳について
 3 阪神・淡路大震災の影響による通学実態について
 4 フラッシュバックと思われる症状を示した児童生徒数について
  1 教育的配慮を要する児童生徒数について
 
区     分 小  学  校 中  学  校 合     計
調査対象学校数 837校3分校
( 837校5分校)
360校3分校
( 359校3分校)
1,197校8分校
(1,196校8分校)
調査対象児童・生徒数 321,064人
( 323,581人 )
161,951人
( 166,612人 )
483,015人
( 490,193人 )
心の健康について教育的配慮を 必要とする児童・生徒数 1,903人
(  2,060人 )
1,239人
(  1,332人 )
3,142人
(  3,392人 )
在籍児童・生徒数に対する割合   0.59%
(  0.64% )
 
0.77%
(  0.80% )
 
0.65%
(   0.69% )
 
 ※ ( )内は昨年度の調査結果。

◇参考 教育的配慮を必要とする児童・生徒数の推移(各年度7月1日現在)

年 度 小 学 校 中 学 校 合  計
平成13年度 1,903人
(△157人)
1,239人
(△ 93人)
3,142人
(△250人)
平成12年度 2,060人
(△334人)
1,332人
(△379人)
3,392人
(△713人)
平成11年度 2,394〃
(△ 32〃)
1,711〃
(  31〃)
4,105〃
(△ 1〃)
平成10年度 2,426〃
( 272〃)
1,680〃
(△255〃)
4,106〃
(  17〃)
平成9年度 2,154〃
( 324〃)
1,935〃
(△ 47〃)
4,089〃
( 277〃)
平成8年度 1,830〃 1,982〃 3,812〃

※ 単位は人。( )は昨年度との増減。

  1. 心の健康について教育的配慮を必要とする児童・生徒数は3,142人で、前年度(3,392人)に比べ250人減少している。
  2. 小学校では、教育的配慮を必要とする児童430人が卒業したが、新1年生において、158人が教育的配慮を必要とすると認められたとともに、他学年で再び別紙の症状等を示す児童等により115人が増加したため前年度に比べ157人の減少となっている。
  3. 中学校では、教育的配慮を必要とする生徒490人が卒業し、新1年生において、391人が教育的配慮を必要とすると認められたとともに、他学年でも再び別紙の症状等を示す生徒等により6人が増加したため前年度に比べ93人の減少となっている。
  4. 教育的配慮を必要とする児童生徒数を地域別に見ると、神戸市が2,509人、阪神地域が576人(西宮市で206人、芦屋市で192人など)、淡路地域が43人(北淡町で25人など)となっており、神戸市と阪神地域で全体の98.2%(3,085人)を占めている。
    災害救助法対象の10市10町では3,133人で、全体の99.7%となる。



2 教育的配慮を必要とする要因別の児童生徒数の割合について

 (単位:%、人)

要   因 小 学 校 中 学 校 合   計
震災の恐怖によるストレス 37.2%(707人) 35.4% (439人) 36.5% (1,146人)
住宅環境の変化 35.1〃 (668〃) 42.9〃 (532〃) 38.2〃 (1,200〃)
家族・友人関係の変化 41.6〃 (791〃) 45.7〃 (567〃) 43.2〃 (1,358〃)
経済環境の変化 30.1〃 (572〃) 30.0〃 (372〃) 30.0〃 (  944〃)
学校環境の変化 5.2〃 (100〃) 16.1〃 (199〃) 10.0〃 (  299〃)
通学環境の変化 4.0〃 ( 76〃) 12.2〃 (151〃)  7.2〃 (  227〃)
そ  の  他  2.7〃 ( 52〃)  0.6〃 (  8〃)  1.9〃 (   60〃)
※1 個々の児童生徒が別紙の症状等を示している主な要因を、一つに限定しないで区分、整理した。
  2 ( )内は、それぞれの要因に該当する児童生徒数。
  3 「その他」の主な内容は、震災が原因による病気等の後遺症など。

  1. 教育的配慮を必要とする要因は、小学校では、家族・友人関係の変化、震災による恐怖、住宅環境の変化などの順で高く、中学校では、家族・友人関係の変化、住宅環境の変化、震災による恐怖などの順で高くなっている。
  2. 時系列で見ると、「震災の恐怖によるストレス」の漸減傾向が伺われるが、「家族・友人関係の変化」が漸増している。また、「住宅環境の変化」や「経済環境の変化」が依然として高い割合となっており、住宅などのハード面の復興に伴う環境の変化や震災後の経済の停滞などが2次的なストレス要因となっていることが伺われ、これらの諸要因が複雑に絡み合っているものと考えられる。

◇参考 要因の年度別推移について
            校種
区分          年度
小  学  校 中  学  校
10 11 12 13 10 11 12 13
震災の恐怖によるストレス
住宅環境の変化
家族・友人関係の変化
経済環境の変化
学校環境の変化
通学環境の変化
そ  の  他
43.9
42.3
14.4
11.6
4.8
10.5
1.6
45.4
46.0
27.6
11.7
8.2
11.6
3.1
44.6
29.5
27.0
20.1
3.7
3.1
4.2
47.2
24.5
29.8
21.4
2.5
2.1
2.5
41.8
33.8
38.7
28.9
4.0
2.3
2.6
37.2
35.1
41.6
30.1
5.2
4.0
2.7
47.6
47.2
21.2
19.7
8.6
23.7
0.5
40.6
35.6
28.9
16.8
18.2
16.8
0.8
38.5
34.2
35.3
20.4
14.6
10.7
0.2
40.1
37.9
32.7
23.7
15.2
11.7
0.8
35.6
43.4
46.8
27.0
16.2
11.6
0.5
35.4
42.9
45.7
30.0
16.1
12.2
 0.6


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