平成18年 教育10大ニュース
 兵庫県教育委員会では、平成18年の教育10大ニュースを決定しました。
 これは、平成18年に実施した主要な施策、事業や出来事の中から項目を選び、教職員や児童生徒の保護者をはじめ、県民の皆様にお知らせすることにより、県教育行政への理解と関心を深めてもらうとともに、この1年間を振り返るものです
「スポーツクラブ21ひょうご」が全小学校区で設立、県民の健康増進に向けた基盤整う
〜県民誰もが生涯にわたり身近なところでスポーツに親しむことのできる環境の基盤が整備される〜
豊かなスポーツライフを通した地域コミュニティづくりを進めるため、平成12年度から進めてきた地域住民の自主運営による総合型地域スポーツクラブが、平成18年3月をもって全県下の小学校区827で設立された。この数は、全国最多であり、本県における総合型地域スポーツクラブの先導的な取り組みは、他県の模範となっている。また、全827クラブの代表が総合型スポーツクラブとしては、史上初となる国体開会式やオープニングプログラムへ参画し、国体の長い歴史の中に大きな足跡を残した。
新しい選抜制度を総合選抜学区(尼崎、明石学区)へ導入決定
〜平成20年度入試から複数志願選抜と特色選抜を総合選抜学区(尼崎、明石学区)へ〜
「学びたいことが学べる学校」が選択ができるよう、複数志願選抜と特色選抜からなる新しい選抜制度について、これまで平成15年度入学者選抜から神戸第三学区、姫路・福崎学区、加印学区へ導入し、また19年度には北播学区に導入することとしている。このたびは、20年度に初めて総合選抜学区(尼崎、明石学区)へ導入することを決定した。
新学習システムの推進
〜35人学級編制を小学校2年生まで拡充〜
 児童生徒の成長発達段階や教科等の特性に応じて柔軟に少人数学習集団の編成等を行う「新学習システム」において、小学校低学年での「基本的生活習慣の定着」に効果の高い35人学級編制を小学校4年生まで段階的に導入することとし、本年度は、複数担任制との選択として小学校2年生まで拡充した。
「日本の文化」高校の科目に!
〜全国初となる県独自科目「日本の文化」の教材開発に着手、平成19年度の授業開始に向けて作成進む〜
 日本の文化理解推進事業として、県独自の科目「日本の文化」を策定し、平成19年度から各県立高等学校で科目として授業を開始に向け、教材の開発に着手した。科目の基本方針や、目標、テーマ構成等について検討し、全体を生活文化、伝統文化、地域文化、Japan Now(現代の日本)の4つの分野に分け、28のテーマを設定した。また、教職員等を対象に事業の趣旨を周知するため、10月に「フォーラム日本の文化」を兵庫県公館で開催した。
なお、本事業は東京都と並んで、全国初の取組みである。
青少年芸術体験事業「わくわくオーケストラ教室」スタート
〜県内すべての中学1年生を対象とした新たな体験学習始まる〜
 兵庫芸術文化センター管弦楽団による「青少年芸術体験事業〜わくわくオーケストラ教室〜」を展開。
迫力ある音楽に接することで、生徒の豊かな情操や感性を身につけるきっかけとするとともに、演奏された音楽を育んだ民族の歴史を知ることにより、他国の文化に対する理解や寛容の心を醸成するため、県下の全中学校1年生を対象とし、兵庫県立芸術文化センターにおいて年間20日間、計40回の公演を行っている。
新たな国際交流の輪が広がる
〜中国・広東省やタイ王国、ロシア・ハバロフスク地方との新たな友好親善始まる〜
 ○近年、関心が増している中国に対する理解を深めることで、幅広い国際的視野を育成するため、本年1月、吉本教育長が広東省を訪問し、広東省教育庁長との間で調印を行った。6月と9月に本県高校生と中国・広東省の高校生が相互のホームステイや学校訪問等による交流、友好親善を図った。高校生の両県州の代表団による交流は本県初。
○ASEAN諸国との教育関係者交流を実施。本年は、タイ王国との学校管理職の教育交流を行うとともに、友好親善を推進した。
○昨年9月に行ったコウノトリ放鳥式典を契機に、ロシア・ハバロフスク地方の少年少女を本県に受け入れ、地元小学生との交流を図った。兵庫県では、昭和44年に姉妹提携締結以降、コウノトリの幼鳥の受贈をはじめ、友好親善を推進するため、代表団の派遣を行ってきたが、児童生徒の受入れは初めて。
○教育長が、1981年から姉妹県州として交流を続け本年で25周年になる西オーストラリア州を訪問し、両県州の高等学校間の交流を今後さらに発展させるため、覚書に調印した。
 
のじぎく兵庫国体で初の天皇杯・皇后杯獲得!
〜県民に夢と感動を与えるとともに、元気兵庫を全国にアピール〜
 全国からいただいた震災時の支援に対し、感謝の気持ちを伝え、元気になった兵庫を全国に発信する場として開催準備を進め、総合優勝に向けて競技力の向上に努めてきた。
大会結果は、男女総合で入賞数が32競技、うち優勝が15競技という他を寄せ付けない圧倒的な強さで総合優勝を飾り、悲願である天皇杯・皇后杯を獲得した。また、本国体および障害者大会には、多数の児童生徒が式典や各競技会の運営補助員として参画し、心のこもったおもてなしや交流、応援や観戦への参加など感謝国体・県民総参加の実現に大きく寄与した。
理数教育推進事業
〜ダ・ヴィンチ・プラン〜スタート
〜全国初の取り組み「数学・理科甲子園2006」や「理数ワンダーランド」開催〜
本年度から小・中・高等学校を通じた総合的な理科及び算数、数学の充実を図るため「理数教育推進事業〜ダ・ヴィンチ・プラン〜」を実施しており、その一環の事業として高校生を対象とした「数学・理科甲子園2006」を開催した。
 この事業は、全国初、兵庫県独自の企画であり、チーム内で協力して課題解決に取り組み、互いに切磋琢磨することにより、数学、理科、科学技術等に対する高校生の興味・関心、意欲・能力を高めることを目的としている。今後は、理系志望を中心とした高校生の目標となるよう「秋の甲子園」としての定着をめざす。。
第26回近畿高等学校総合文化祭、近畿の高校生が文化を通じ交流!
〜次代を担う高校生の新鮮で創造性あふれる芸術活動が、新しい時代への光を灯す〜
 「近畿は一つ」の合言葉のもとに、「灯(とも)せ文化の光 輝ける未来(あした)のために」を大会テーマとして近畿2府7県から、約1万人の高校生の参加による芸術文化活動の総合的な発表会を、県立芸術文化センターをはじめとする兵庫県が誇る芸術文化施設を会場として開催した。今大会は、近畿総文としては最大規模となる18部門での実施となり、高等学校における芸術文化活動の振興に寄与した。また、大会応援企業制度を導入するなど、多くの県民の協力と参加を得た文化祭となった。
いじめ問題への一層迅速な対応に向け、取り組みを強化
〜全国的にいじめ・自殺が相次ぐ中、ひょうごっ子いじめ相談ホットラインの開設やいじめ検討会議を設置し緊急対応始まる〜
 全国的にいじめが理由とみられる自殺が相次ぐ中、いじめを受けている子どもの立場に立った一層迅速な対応が求められている。そこで、従来からおこなってきた取り組みに加え、@学識者等による「いじめ問題検討会議」を設置し今後の対応策について検討するとともに、A教師用マニュアル作成による全教職員の「早期発見・早期対応能力の向上」B保護者、児童・生徒用啓発チラシの家庭への配布による「家庭・地域との連携強化」、Cいじめ相談専用ホットラインの新設による「教育相談体制の充実」D「命の大切さを実感させる教育プログラム」を活用した教職員研修の拡充と小・中・高等学校での授業展開による「命を大切にする教育の充実」など、緊急な対応を図ることとした。

■■■ トピックス ■■■
兵庫県登録文化財補助制度を創設
〜全国初の景観行政と連携した文化財登録制度の導入〜
 歴史文化遺産の活用により歴史的な景観と調和したまちづくりに資するため、指定有形文化財以外の建造物のうち、保存及び活用の措置が特に必要なものを新たに保護の対象とし、登録有形文化財として登録を開始した。また、県独自の「兵庫県登録文化財」補助制度を創設し、登録した文化財のうち修理が必要な物件の経費について助成を開始する予定である。景観行政と連携した文化財登録制度の導入は、全国初の事例である。
「匠の技」を工業高校生に継承
〜すべての県立全日制工業高等学校で、ものづくり名人が実技指導〜
 県立高等学校のうち全日制工業科を設置する全ての高等学校に高度熟練技能者等を招聘し、実践的な指導を通して、生徒の技能検定取得や高度な資格取得、各種技能コンテスト等への積極的な参加を推進した。この成果として、「第2回若年者ものづくり競技大会」木材加工部門において第1位(厚生労働大臣賞)【東播工業】、敢闘賞受賞【東播工業】、旋盤部門において敢闘賞受賞【尼崎工業】というすばらしい成績を修めた。
全県立学校(167校)に自動体外式除細動器(AED)を配備
〜心停止した児童生徒等の救命率向上をはかる〜
 学校等で心停止を起こした児童生徒、教職員等の救命率を高めるため、県立学校にAEDを配備した。
また、県立学校の全教職員が、救急車が到着するまでの間に、いち早くAEDを使用した心肺蘇生が行えるよう講習会を実施した。