

ヤマガラ 06.06.06
巣立ちの季節
森のスポーツ広場の倉庫にヤマガラが巣をかけました。突然ですが、この倉庫のどこに巣をかけたかわかりますか?みなさんが、小鳥になったつもりで考えてみてください。答えは・・・こんなところです。立てかけられた竹の中で子育てをしています。
ほらほら、親鳥がエサを運んできましたよ。辺りが見渡せる松の木のてっぺんで様子をうかがい、安全だとわかると巣まで持ってきます。これは敵に巣の場所を知られないための工夫です。
少し離れて見ていると、親鳥たちは3〜10分間隔で、せっせとエサを運びます。いったい雛が巣立つまでに、何匹のエサとなる虫が必要なのでしょうか?では、ここで計算してみましょう。
・親鳥は3分で1匹の虫を運んでくるとすると、1時間では20匹になります。
・1日に虫を捕まえられる時間を、午前6時から午後7時までの13時間とすると、1日では260匹となりますね。
・ヤマガラは卵からかえって巣立つまでに、約20日間かかりますから、260(匹)×20(日)=5200匹!!
びっくりですね!雛が巣立つまでには、5200匹もの虫が必要です。親鳥は一度に複数の虫をくわえてくることもありますし、天気が悪いとエサが捕れない日もあるので、この計算は仮のものですが、とにかくたくさんのエサが必要なことがわかりますね。休みもせずにエサを運び続ける親鳥には、まったく頭が下がる思いです。
森のスポーツ広場の雛たちも巣立ちを迎えました。今は生活棟の周りで親鳥を追っかけ、エサをねだっています。では、親子の様子を少しのぞいてみましょう。
ここは生活棟「とちの館」近くの林です。ほら、親鳥がエサをくわえてきましたよ。エサはクモのようですね。早速、雛は羽をバタつかせておねだり開始です。でも、親鳥はなかなかエサを与えません。雛がこんなに近くに寄ってきておねだりしても、エサを足にはさんだままです。この親鳥は意地悪ですねえ・・・?いいえ、そんなことはありません。親鳥は、雛が自分の力でエサを捕るように促しているのです。
ほら、この通り!その気になれば一人でちゃんと捕れるのにね。
小鳥の親子に出会えるのは、今がチャンスです。「チィーチィー」というおねだりの声が聞こえたら、根気強く静かに待っていてください。きっと、ほほえましい親子の姿が見られますよ。
でも、近づきすぎると、こんな風に見つめられてしまうので気を付けてくださいね。
文責 増田 克也
