シロハラ  06.04.03    
バードストライク



 バードストライクとは、航空機や建物、風力発電の風車等に野鳥が衝突することを言いますが、南但馬自然学校でも、しばしばバードストライクが起こります。そのほとんどが窓ガラスへの衝突で、大半が命を落とします。
 衝突する一つの原因として、周りの風景が鏡のようにガラスに映り込み、空を飛んでいる野鳥たちには、ガラスの向こうにも空間が続いているように錯覚するためだと言われています。

 南但馬自然学校は建物の規模が大きく、ガラス面も広く設計されていますので衝突することがあるのでしょう。本校ではバードストライクで命を落とした野鳥たちも無駄にせず、はく製に加工して子どもたちの教材として活用しています。

 さて、上の写真は浴室棟の玄関前に転がっていたシロハラです。私が見つけたときには、既に冷たくなっていました。やはりこのシロハラもガラスに衝突死したものでしょう。
 ガラスに映り込んだ青空が空しく見えます。私たち人間の所業は、自然界対して静かに牙を剥いているのです。

 このページは、南但馬自然学校の自然をご紹介するために始めたもので「美しい、可愛い、面白い、楽しい」ことはもちろんですが、時には今回のような厳しい現実もお伝えしていくことにします。

 それでは気を取り直して、シロハラのプロフィールをご紹介しましょう。
 シロハラは本校に越冬のため、秋に訪れる渡り鳥です。普段は林の地面を、足やくちばしでゴソゴソ探っては、落ち葉の下に隠れる虫などを捕って食べていますが、人間の接近など危険を察知すると、すぐに藪の中に隠れてしまいます。
 そんな彼らも、秋に赤く色づいた柿の魔力にはかなわないらしく、この時だけは渋い羽色を披露してくれます。

 ダンコウバイが可憐な花を付ける今、シロハラたちの帰郷準備もできていることでしょう。彼らが旅立つと、南但馬自然学校は一足飛びに春本番を迎えます。

文責 増田 克也

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