カワアイサ 07.12.11




カモ界の貴公子



 今年もユーラシア大陸北部からカワアイサがやってきました。南但馬自然学校からほど近い円山川では、11月下旬頃より数羽の群れが姿を見せるようになりました。今週の“自然のページ”は気高く美しい「カモ界の貴公子」カワアイサを取り上げます。

 いつもカモたちがくつろいでいる場所に足を向けると、遠くに米粒くらいの白っぽい水鳥が見て取れました。今日もいました、カワアイサです。オスは身体の白色がよく目立ち、遠目にもすぐそれとわかります。そっと近づくと数羽のカワアイサがマガモやカルガモと一緒に浮かんでいます。
 
 カワアイサはカモの仲間ですが、その姿は一風変わっています。身体のサイズはよく見かけるマガモやカルガモより少し大きく、潜水を得意とするためかスマートですらりとした体型です。オスの頭部は一見黒く見えますが、光の角度によっては深いグリーンの光沢を放ち、これが胴体の白色と相まって美しいコントラストを生み出しています。一方メスは、茶色いたわしの様なボサボサ頭にグレーの胴体。シックな装いがおしゃれです。

 しばらく観察していると、羽に頭をしまい込む休憩のポーズや追いかけっこのような小競り合いなど、カワアイサたちはいろいろな仕草を見せてくれます。中でも一番の見物は、水面から身体を高く持ち上げて行うダイナミックな羽ばたきです。こちらでは3羽が同時に羽ばたきを始めました。

 カワアイサの羽ばたきに見とれていると、対岸を散歩する人が立ち止まり、身を乗り出すように川の中をのぞき込むが早いか否か、警戒心の強いカワアイサたちは一斉に身体を川下に向け、オレンジ色の足で水面を蹴りあっと言う間に飛び去ってしまいました
 
文責 増田 克也 

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