ジョウビタキ 07.11.27




紋付きを着た渡り鳥



 「ヒッ、ヒッ、ヒッ、カッカッ」南但馬自然学校では、もう1月も前からジョウビタキの声が聞こえていましたが、運が悪いのか、巡り合わせがよくないのか、声の主に出会えたのはつい先日のことでした。ジョウビタキは中国北部やチベット等から、越冬のため日本に渡ってくるスズメくらいの大きさの野鳥です。あまり人を恐れず、こちらが静かにしていると肉眼でもしっかり観察できるほど近くに来てくれることがあります。

 それでは、オスのジョウビタキを見てみましょう。頭は灰色、顔は黒、胸から尾羽にかけては鮮やかなオレンジ色をしています。顔の部分を拡大するとくちばしには土が付いています。きっと地面に降りて餌探しをしていたのでしょう。
 一方、メスは腰だけがほんのりオレンジ色で、その他はオリーブ色をしています。オスメスともに共通しているのが羽にある白斑です。この白斑が紋付きを着ているように見えるところから、当地ではジョウビタキを“もんつきどり”と呼んでいます。

 ジョウビタキは、原っぱや畑のような開けた環境を好みます。畑に立てられた杭や木の梢から、ピク、ピクっとお辞儀をするような動きを繰り返し、地面に虫を探している姿をよく目にします。このジョウビタキはエサを見つけて地面に降り立ったものの、獲物を見失ってしまったようです。首を伸ばし困ったような表情が笑いを誘います。虫の他には木の実も好物で民家の庭先にやってくることもあります。

 フレンドリーなジョウビタキのことですから、これから暖かくなるまでの数ヶ月間、南但馬自然学校のあちらこちらで愛嬌を振りまいてくれることでしょう。

文責 増田 克也
 

“自然のページ”のご意見ご感想をメールでお寄せください
Email mtajimashizen@pref.hyogo.lg.jp