ヒサカキ  06.04.14    
朝来山ガス爆発!?



 南但馬自然学校にある朝来山は、高さが756.5mで兵庫県では中位の高さの山です。朝来山展望台からは、兵庫県で一番高い氷ノ山を始め、丹波や播磨の山々を一望できます。

 近頃、この朝来山では至るところで春の香りが漂っています。ところで“春の香り”ってどんな香りでしょう?土の匂いでしょうか、それとも花の香りでしょうか?春の香りは人それぞれで感じ方が違い、決まったものはありませんね。
 私が感じる春の香りは、上の写真にあるヒサカキの花が出す香りですが、「香り」より「臭い」と言う表現が正しいでしょう。葉っぱの裏に隠れるように咲く、5mmくらいの小さなかわいい花からはとても想像が付かない、鼻の曲がりそうなLPガスの臭いがします。今、朝来山は「えっ!・・・どこかでガス漏れ!」と勘違いしそうなほど、ヒサカキの臭いでいっぱいです。
 
 普段は何の変哲もない木々たちも、春になってこの時とばかりに様々な色や形の花を咲かせます。それでは朝来山に咲いている花を見てみましょう。

 黄色いスダレのよう見えるのは、キブシの花です。その昔、幹の中にある髄をとりだして、ランプやあんどんの灯心として利用したそうです。春風に揺れる黄色いスダレは気持ちいいですよ。

 きつねコースの入口でラッパ形の赤い花を咲かせたのは、ウグイスカグラです。今がちょうど見頃で、初夏には赤い実を付けます。この実は食べられるので今から楽しみです。

 こちらは花ではありませんが、おしゃれな蝶ネクタイをした、タラノキの芽です。蝶ネクタイに見えるのは、去年の秋に葉っぱが落ちた跡ですね。

 くまコース雲海展望台の近くで、下を向いた房のような赤い花を咲かせた木をよく見かけますが、これはフサザクラです。花が終わると子どもの手のひらのような葉っぱが出てきます。

 この黄色い花はシキミです。朝来山では普通に見られる植物ですが、みなさんもどこかで見かけたことがあるはずです。「仏様にお供えする木」と言えばわかるでしょう。お墓やお仏壇にお供えしてあるのをよく目にします。ただし、毒があるので絶対に口にしないでください。

 朝来山の高いところで、白い小さな花を咲かせたのは、別名、雪割草とも呼ばれる、ミスミソウです。ミスミソウの名前は、とがった3枚の葉っぱを持つところから付いたそうです。
 ミスミソウが咲く散策道の日だまりに、冬眠から覚めたルリタテハがやってきました。朝来山は春爛漫ですが、遠く西を望むと、まだ氷ノ山山系は白く輝いていました。
 
文責 増田 克也


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