ハクセキレイ 07.03.20





にたものどうし



 3月12日、予想外の雪が降りました。突然のことに少しあわてましたが、冬将軍の悪あがきも長続きせず、3日後には春の日差しがもどってきました。

 すっかり雪が解けた田んぼには、いろいろな野鳥たちがやって来ます。こちらを気にしながらエサを探す“ハシボソガラス”、大勢でにぎやかな“ムクドリ”、そしてカモフラージュの名人“タヒバリ”など様々です。

 その中に珍しい“ハクセキレイ”の姿を見つけました。ここまで読まれて「あれ、ハクセキレイが珍しい?」と思われた方もあるでしょう。ハクセキレイは全国で普通に見られる身近な野鳥です。兵庫県内でも少し南に行けば一年を通して見られますが、ここ南但馬自然学校周辺では、冬から田植えが始まる頃までのわずかな期間にしか出会えない珍しい野鳥です。

 ハクセキレイたちは、田んぼの中をあちらこちらと忙しく動き回りエサ探しに夢中です。「あっ、これはなんだ?・・・食べられるかな?
唯一、動きが止まるのはエサをみつけた時だけで、しかもほんの一瞬です。こちらは、ごちそうを見つけたのでしょうか、全速力で駆けだしたのは、“メスのハクセキレイ”です。オスに比べて色が薄くグレーが目立ちます。

 となりの田んぼでも、大きな口を開けて鳴いているハクセキレイ?がいます。あれ・・・ちょっと待ってください? これはハクセキレイではありません。この野鳥はハクセキレイによく似ていますが、付近で年中見られるお馴染みの“セグロセキレイ”です。
 ハクセキレイとセグロセキレイは似たもの同士で、大きさ、色、形、本当によく似ています。それもそのはず、どちらも同じセキレイ科で、しかもハクセキレイが変異してセグロセキレイになったという説があるほどですから親戚のようなもの・・・似ていても当然ですね。
 でも、困りましたねえ。こんなに似ていると区別がつきません。それでは、簡単に見分けられるポイントをお話しします。まずはこの写真を見てください。ハクセキレイには、過眼線(かがんせん)と呼ばれる、くちばしの付け根から目を通って頭の後ろまで延びる黒いラインがあります。一方、セグロセキレイには過眼線はありません。このポイントさえ押さえていれば、すぐに見分けができますね。
 さあ、外に飛び出し調べてみましょう。みなさんの周りにいるのはどちらのセキレイですか。セグロ、それともハク?

文責 増田 克也
 

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