真夏にキノコ




 南但馬自然学校の入口付近に、立派なキノコが出ていました。ドカーンと開いた肉厚な傘(かさ)は、コロボックルなら楽々と雨宿りができそうなほど大きく、独特な存在感を放っています。キノコと言えば、やっぱり秋のイメージですが、それが真夏に、しかもこんなに堂々した姿なら、いやでも目立ちます。

 それでは、気になる名前を調べてみましょう。傘の内側にある小さな無数の穴から、イグチ科のキノコであることは察しが付きましたが、さて困りました。図鑑(ずかん)を開けば、色といい、形といい、似たようなものがたくさん載(の)っているではありませんか。
 手を尽(つ)くして調べた結果、柄(え)にある網目模様(あみめもよう)が決め手となり「ヤマドリタケモドキ」という、イグチ科のキノコにたどり着きました。

 驚(おどろ)いたことに、このヤマドリタケモドキは食用のキノコらしいのです。なんでもヨーロッパでは、香(かお)り高く様々な料理に用いられることで有名な、あのポルチーニの一種として、日本で言う所の、マツタケ並みに珍重(ちんちょう)されるとか・・・。見た目には、それほど食欲が湧(わ)きませんが、シェフの手により、珠玉(しゅぎょく)の一皿となったヤマドリタケモドキを、是非(ぜひ)、味わってみたいものです。

 では、上のフレームをクリックして動画をご覧ください。果たして、ヤマドリタケモドキは、みなさんの食欲を刺激(しげき)するでしょうか? また、その大きさも感じていただければ幸いです。

文責 増田 克也


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