たんぼ模様

 また雪が降りました。そして、いくらか積もりました。すると田んぼに面白い造形が誕生し、普段(ふだん)では見られない表情が現れます。今回の自然のページは、そんな田んぼにカメラを向けましたのでご覧ください。



 上の写真は、朝日が差し込(こ)む山東町与布土地区(さんとうちょうようどちく)の田んぼを撮影(さつえい)しました。土が盛り上がった部分だけに雪が積もり、どこか大小様々なモコモコのヒツジが群れとなって横たわっているようにも見えます。



  日が昇(のぼ)り、田んぼの隅々(すみずみ)まで光が行き届いたので、今度は方向を変えて本校がある朝来山を入れて撮影しました。するとどうでしょう、なんだか田んぼが海に見えてきませんか? 波頭を白くした小さな波がいくつも打ち寄せているようにも、波の花が飛び散っているようにも見て取れます。空は徐々(じょじょ)に青みを増し、今日は良い天気になる予感がします。



  次に、昨年10月、コウノトリの放鳥拠点(ほうちょうきょてん)が設けられた三保区に向かいました。“コウノトリ育む農法”に沿って水が入れられた湛水田(たんすいでん)が黒々とした水をたたえ、まるで大きな池のようです。写真の中ほどに写る、茶色い風よけが施(ほどこ)された建物が、2羽のコウノトリが暮らす飼育ケージで、繁殖(はんしょく)に向けたペアの様子が気にかかるところです。
 数年前まで本校周辺に全くなかった湛水田も、年を追う毎に数を増し、今では冬の情景のひとつとなりつつあります。




冬、但馬の天気は猫(ねこ)の目のように変わります。先ほどまでの青空はどこへやら、一転して吹雪(ふぶき)となりました。このまま降り続けると、豊かな表情を見せた田んぼもすっぽり雪に包まれて、間もなくのっぺらぼうになることでしょう。
 向かいの山がかすみ始めた頃(ころ)、風上に傘(かさ)を傾(かたむ)けて、畦道(あぜみち)を行き過ぎる人の姿がありました。

文責 増田 克也



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