ご馳走(ちそう)を食べた後は、お茶漬(づ)けをサラサラとやりたいように、きらびやかな桜の花が終わると、清楚(せいそ)な山野草の花が気になり始めます。そこで、本校のフィールド朝来山とその周辺に、春の花を探して歩きました。
この時季、真っ先に目に付くのは、やっぱりスミレです。野草にしては大きめな花びらを眺(なが)めていると「あぁ、これがすみれ色なんだなぁ」と改めて感じます。スミレは種類が多く判別が難しいですが、写真のものは丸いハート形の葉っぱからして、タチツボスミレの仲間と思われます。
すみれ色に負けないほど、鮮(あざ)やかな瑠璃色(るりいろ)の花をいくつも付けているのは、その名もヤマルリソウです。葉っぱを低く放射状に広げたロゼットと呼ばれる姿で、斜面(しゃめん)にたくさん花を咲かせると、暗い人工林に明かりが灯ったようです。
ぐーんと茎(くき)を伸(の)ばした、ショウジョウバカマは、下から見上げると周りのヒノキと高さを競い合っているかのようです。咲き始めの短い茎も、花が終わりに近づくと長くなり、最終的には50センチ以上にもなります。これは風に乗せて種をより遠くまで散布させる、ショウジョウバカマの賢(かしこ)い作戦です。
うす紫(むらさき)の幻想的(げんそうてき)な花をこちらに向けるのは、イカリソウです。以前、この花の名前を知ったころ、激しくそっくり返った4枚の花びらを見て、威嚇(いかく)されているように感じて「名前の由来は“