どっちが頭でどっちがお尻



 今年はドングリが大豊作です。校内のいたるところで、これまで見たこともないたくさんのドングリが地面に散らばり、それは雑木林に入ると足の踏(ふ)み場もないほどの大変な量です。

 それでは、校内でよく見られるドングリを紹介(しょうかい)しましょう。

・まずは、コナラのドングリ。スマートな形が特徴(とくちょう)で一番たくさん落ちているのがこのドングリです。
・次はクヌギのドングリ。この“まん丸ドングリ”は見つけただけで思わず微笑(ほほえ)んでしまいます。
このドングリはアベマキのものです。殻斗(かくと)と呼ばれるイガイガの部分がクヌギよりワイルドですね。
・小粒(こつぶ)で殻斗に横縞(よこじま)があるのはシラカシのドングリで、校内のドングリがなる木では唯一(ゆいつ)の常緑樹です。

 ドングリを眺(なが)めていると、「尖(とが)った方と丸い方のどちらが頭でどちらがお尻(しり)だろう?」と、ふと考えることがあります。これは殻斗を帽子(ぼうし)や髪(かみ)と見るか、それとも服やパンツと見るかによって変わってきます。
 そこで、クヌギのドングリに目鼻を描(か)いて確かめることにしました。まず、尖った方を下に向けて顔を描くと、殻斗がおしゃれなカーリーヘアーか毛糸の帽子に見えますね。次に尖った方を上にして顔を描くと、あら不思議、殻斗が暖かそうなタートルネックのセーターに早変わりです。
 そうそう、ドングリと言えば忘れてはならないことがありました。それはスタッフジャンパーにもプリントされている南但馬自然学校のシンボルマークです。これは自然の中で元気に遊ぶ、男の子と女の子をモチーフとしてデザインされたものですが、ドングリの尖った方が上になり殻斗はパンツに見えます。やっぱり尖った方が頭なのでしょうか?
 いえいえ、ちょっと待ってください。ドングリは芽より先に根を出しますが、なんとその根は尖った方から出てくる

          根を出したコナラのドングリ

のです。頭から根っこを出すなんてなんだか不自然ですね。では、やっぱり・・・? こんなことを考えていると頭の中がこんがらがってしまいます。

 結局、結論は出ませんでしたが今年はせっかくの大豊作、これを放っておく手はありません。ややこしいことは後にして、クラフトの材料などに利用してドングリを大いに楽しもうではありませんか。

文責 増田 克也

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