これは何の声でしょう



 
 いきなりですが、これは何の声でしょう。まずは上の“?”をクリックして鳴き声を聞いてください。いかがでしたか、何度も聞きたくなるようなとってもいい声ですね。では、ヒントを出しましょう。声と一緒(いっしょ)に水の音も聞こえるので、川の生き物です。
 こんなにきれいな声の持ち主ですから、川で生活するカワセミのような美しい野鳥でしょうか? それとも・・・

 さあそれでは、声の主に登場してもらいましょう。こちらをクリックして上の写真を見てください。いかがですか、みなさんが声からイメージした姿と合っていたでしょうか?

 このカエルは“カジカガエル”という、水のきれいな川に棲(す)むアオガエル科のカエルです。その大きさは、オスで約4センチ、大きなメスで7センチ以上あり、よく見かけるアマガエルよりずっと大きな体をしています。
 5月ころから聞こえ始める美しい声は小鳥のさえずりのようで、初めて聞く人に「あれはカエルの声ですよ」と話しても、全く信じてもらえないことがあります。それならばと、写真でカジカガエルの姿を見せると尚更(なおさら)です。きっと、美声から想像する姿と見た目の差が大きいためでしょうね。

 カエルが苦手な方には敬遠されそうなこの姿も、よく見るとなかなか愛嬌(あいきょう)があります。チャームポイントは体に不釣り合いなほどパッチリ開いた大きな目。おまけにカメレオン風の模様まで入っています。それに、周りの環境(かんきょう)にすっかり溶(と)け込むシックな色と模様も独特な味わいがありますね。

 みなさんも実際にカジカガエルの声を聞いてみませんか。南但馬自然学校から一番近い鑑賞(かんしょう)ポイントは、与布土川(ようどがわ)の上流です。声を聞くには夜が一番ですが、運がよければ明るい時間帯でも、時折、美しい声を聞くことができます。ただし、8月に入ると鳴りを潜(ひそ)めてしまいますのでお早めにどうぞ。

文責 増田 克也

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