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次回の更新は、5月12日(火)の予定です。どうぞお楽しみに。



スーパーモデル現る


 田植えのシーズンが近づいた里の田んぼでは、耕運作業が急ピッチで進められています。田んぼに水が入れられると、普段は見ることができない珍(めずら)しい野鳥が訪れることがあります。
 上の写真のセイタカシギも何年ぶりでしょう。前に見たのはいつだったのか思い出せないほど以前のことでしたが、この鳥の個性的な姿は決して忘れることはできません。

 セイタカシギの特徴(とくちょう)は、なんと言っても体にふつりあいなほど長い脚(あし)です。その脚は飛ぶといっそう際だちます。野鳥は、脚を体に引きつけて飛びます

                  脚を体に引きつけて飛ぶオオタカ

が、セイタカシギの場合は、長い脚が後ろに大きく突き出てしまいます

 脚の長さは名前の中にも表現されています。和名のセイタカシギは、漢字で書くと“背高鴫”もしくは“丈高鷸”となり、「背の高いシギ」という意味です。また、英名の“Black-winged Stilt”は、「黒い翼(つばさ)の竹馬」と訳せます。セイタカシギの長い脚を竹馬に見立てた、とってもしゃれたネーミングですね。
 
 セイタカシギの魅力(みりょく)は脚だけではありません。エサ捕りの合間に、空に向けて注意をはらう目は、ルビー のように赤く輝(かがや)き、正面から見た姿は、黒と白の衣装をスタイリッシュに着こなしたファッションモデルが観客の視線を浴びながらステージをかっ歩しているようです。なんと垢(あか)抜(ぬ)けした野鳥なのでしょう・・・ただ見ているだけでため息が出てしまいます。

 立ち振(ふ)る舞(ま)いの全てがスマートなセイタカシギですが、思わず「プッ」と吹き出してしまいそうになる仕草があります。それは、エサをついばむために頭を下げると、あまりにも脚が長いので、おしりがピンと跳(は)ね上がり、そのまま逆立ちしてしまいそうになる仕草です。近寄りがたいスーパーモデルに親しみを感じるほほえましい瞬間(しゅんかん)でもあります。

文責 増田 克也


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