多様性に富む五国から構成され、それぞれの地域が個性を発揮し発展してきた、わが兵庫県は平成30(2018)年をもって、県が成立してから150年目にあたります。この節目に県民一人ひとりが歴史を振り返るとともに、兵庫の未来を考える機会とするため、記念事業を県内全域で展開していこうという取り組みが行われました。
そのうち、兵庫の未来を担う人づくりの一環として県立高校の生徒が主体となって記念事業を考えてやってみようという取り組みが「高校生が考える県政150周年記念事業」です。(県の資料を参考)
最初に家庭科学部、PC部、放送部の3部が集まって会議が行われ、各部の活動内容が決定しました。
家庭科学部:太市たけのこ祭りでたけのこスイーツを販売
PC部:太市たけのこ祭りをPRする広告物の作成
放送部:太市地域を紹介する映像番組の作成
余部駅から姫新線で一駅行ったところにある姫路市の太市地区では江戸末期からたけのこが盛んに栽培されており、「姿は山城(京都)、味は太市」ともうたわれるほどで、兵庫の伝統野菜にもなっています。
その太市地区にある桜山公園で毎年4月にたけのこ・竹を楽しんでもらおうと開かれる祭りが「太市たけのこ祭り」です。たけのこごはんやたけのこの天ぷらなどたけのこをふんだんに用いた料理が販売されるほか、段林シェフによるたけのこを用いた西洋料理の試食が振舞われます。正午からは、その日の朝採れたたけのこの直売が行われ毎年長蛇の列ができます。
この年は4月21日に行われ、家庭科学部が、段林シェフが考案した創作料理2品(たけのこロール クリームソースがけ、たけのこ風味のクリームスープ)を調理しました。来場した人に先着100食を配りレシピ完成に向けた意見を募りました。
各部の活動を活動が始まった2017年5月から時系列でまとめました。
PC部ではまず、イベントを告知するためのポスターを制作することになり、早速製作に取り掛かりました。これまでの開催時の様子などを参考にしながらポスターを製作し始めました。
ポスターといってもどのような内容を載せるか、何を強調するか、何度も試行錯誤を繰り返しました。情報量が多すぎても読みにくいため取捨選択するのが難しかったです。
放送部は、県政150周年記念事業の活動の様子をドキュメントに残すことになりました。
どのようなドキュメンタリー番組を作っていくか、シナリオ制作を始めました。
この日は、家庭科学部がたけのこスイーツのアイデアをもとにスイーツを試作しました。マフィンたけのこのせ、たけのこの角切り・あんこ・抹茶のパウンドケーキを作りました。また、放送部はその様子を取材しました。
この日は、家庭科学部が前回の試作以降にアイデアをさらに出した結果、たけのこ入りのクッキーを作ることになりました。たけのこは炒めて使います。たけのこに加えそれぞれ、きなこ・ごま・コーンフレークを入れた3種類のクッキーを作りました。
この日は、家庭科学部のたけのこクッキーのアイデアをさらにブラッシュアップし、近年ダイエット食としても注目されている「オートミール」を加えたクッキーを作りました。たけのこは大きめのみじん切りにし、バターで炒めます。アーモンドは香ばしくローストし、砕きます。あんこ味、チョコレート味、ホワイトチョコ味の3種類を作りました。
これまで生地とたけのこの一体感を生むのが難題でしたが、オートミールを加えることで独特の食感を生かした軟らかな生地になりました。
この日は、前回作ったオートミールクッキーを上手に作るため、もう一度挑戦しました。オートミールクッキーは形を整えるのが難しくたけのこの食感が残りおいしいのですがバラバラになってしまいなかなかうまくいきませんでした。
この日は、太市から、市内のホテルの総料理長として勤めめられたことがある段林近司さんにお越しいただき、たけのこ祭りの際にも振舞われる、
・たけのこロール クリームソースがけ
・たけのこ風味のクリームスープ
の二品について作り方をご指導いただきました。
牛肉の上に豚ミンチをのせます。
肉巻きをアルミホイルで巻いて焼きます。
いただきます。
この日はたけのこ祭りのポスターに使うための写真をいただくために太市公民館に伺いました。何枚か写真をいただいた後、竹林を管理されている方と連絡がついたということで、実際にたけのこが栽培されている竹林にお邪魔させていただくことになりました!
中に入ると本当に高い竹がまっすぐにそびえていました。足元がとても粘土質で歩くのが大変でしたがこの土がおいしいたけのこを育てるそうです。この土の管理も難しいとおっしゃっていました。
そして、ポスターにはこの写真を使うことにしました!良い土とまっすぐにそびえたつ竹の両方を1枚に収めることができました。
何度も自治会の方とのやり取りを行い、ようやく太市や周辺地域で掲示・配布される太市たけのこ祭りのチラシ・ポスターが完成しました。
製作したのは2種類。
↑こちらが、自治会の方が業者に印刷を注文し広範囲に広告するためのもので、
↑こちらが、飾西高校がチラシやポスターにして校内等で配布するものです。
(製作した私にとっては、2つのアイデアの両方が使われることになったので、うれしいです。)
竹林やたけのこ加工工場を取材しました。たけのこ組合の方に、たけのこや太市についての現状や課題について伺いました。
PC部では、ポスターの制作が終わったあと、家庭科学部が当日配布するたけのこクッキーに貼るラベルを製作しました。アレルゲンの表記や食品成分の書き方等を調べ、なるべく商品についているようなものに近づけたので、しっかりしたものに仕上がりました。
この日はとNHKと神戸新聞社が家庭科学部のクッキー製作の様子を取材にきました。
家庭科学部はこの日、配布のためにクッキーづくり作業の大詰めを迎えており、部長の西村さんが取材を受けました。
この日は放課後完成したチラシを姫新線の播磨高岡駅で配布しました。
若い人にも来てもらおうと、学生にはより積極的に声をかけました。興味を示してくださった駅利用者も多く、準備した100枚のチラシはすぐになくなりました。
この日NHKのニュースで家庭科学部がクッキーを製作したことと「太市たけのこ祭り」の開催について紹介されました。
放送内容
NHK総合(神戸) | 4/19(木)18:30~18:59 | 「ニュースKOBE発」 内 「いちおしナビ」のコーナーで |
この日、神戸新聞で家庭科学部がクッキーを製作したことについて紹介されました。
掲載内容
神戸新聞 | 朝刊 地域面(25面) | たけのこクッキー創作 姫路飾西校生、あす「祭り」で配布 |
「特産タケノコを知らなかった部員も多く、若い人に受けるようなインパクトを大切にしようと思った。食べてもらった感想をもとによりおいしくできれば」という部長の西村さんのコメントが掲載されました。
この日、神戸新聞社とNHKに続きサンテレビからも取材班が来ました。
今回の取材は、今回の活動に参加したすべての部が受けました。ポスターを制作した私は、制作に際して、苦労した点などを答えました。
家庭科学部が製作した、「ごま」と「きんぴら」の二種類のたけのこクッキーは300個配り、レシピ完成に向けた意見を募りました。
また、段林さんが考案し家庭科学部が調理した「たけのこロールクリームソースがけ」「たけのこ風味のクリームスープ」は先着各100名分を用意し、午前10時の開場後に整理券を配布。たけのこの直売は正午から行われ、多くの方が来場しにぎわいました。私も、たけのこごはんや試食等いただきましたが本当においしかったです。
この日、サンテレビが制作した太市に関する番組放送され、本校で取材した内容も放送されました。
本校での取材内容に加え、たけのこ祭り当日の様子も紹介されました。
放送内容
サンテレビ | 5/13(日)8:30~ 再放送5/14(月)18:00~ | 「ひょうご発信!」内で |
放送部が1年かけて取材した内容をまとめたものをNHKコンクールのテレビドキュメンタリー部門で発表し、佳作を受賞しました。
7月13日たけのこパウンドケーキとカップケーキを試作しました。
生地がボロボロ崩れやすく食べにくかったのですが、味は好評でした。
この後は、パウンドケーキに絞ってレシピ作りを行いました。
試食してくださった先生方からのフィードバックなどを元に改良を加えて粉山椒をアクセントにしました。
さらに、ゆずパウダー加えておいしさがアップしたレシピが完成しました。
12月20日にたくさん作り、校内の先生や生徒に配布しました。
レシピを公開していますので、ぜひ挑戦してみてください!
2018年に続き、2019年も太市たけのこ祭りのポスターを制作し、採用されました!
そもそも今回の活動は、県が今年1年間行っている県政150周年記念事業のうちの一つ、「高校生が考える県政150周年記念事業」という内容で行われたものです。
その上で、学校から近くの太市地区と連携して活動をして欲しいという形で提案があり、4月に毎年行われる「太市たけのこ祭り」に協力しようという運びになりました。
ポスター制作の際は、地元太市の公民館で、直接自治会関係者の方々からお話を伺いながら作業を進めてきました。
ポスターの背景として使うために、筍を栽培している方にご協力頂き、実際に竹林の写真を撮影させていただいたこともありました。一本一本が高くそびえ立つ竹にはとても圧倒されました。
活動をする中で、「姿は山城(京都)、味は太市」とうたわれる筍の産地、太市の名を全国に広めるべきだと確信しました。
こういった形で地元の方と話し合っていく中で、太市地区が抱える子供の数の減少などといった地域課題についてもいろいろお話を伺いました。
今回の連携活動は「太市たけのこ祭り」への協力という形での活動だったので、こういった課題に対して直接的には関係ありませんが、今回の活動も何かしらの効果があればいいなと思っています。
また、これをきっかけにほかの様々な部活動なども参画し地域との連携活動をこれからも続けていくことで、地域課題の解決にもつなげていくことは可能なのではないかと考えています。
2018年度用に作成したポスターは今年(2019年度)のたけのこ祭りでも使用されることになりました。2年連続で使っていただけるということなのでうれしいです。