学校長 清水 温幸

旅先でしか見えないもの

 10月10日、汗ばむくらいの秋晴れの下、京都嵐山へ秋の遠足に出かけてきました。今年は2台のバスに分乗しなければならないほど多くの人が参加してくれました。
 私は、トロッコ列車も太秦映画村も初めてであり、大変楽しい一日を皆さんと過ごさせていただきました。
フルオープンの窓から流れ込むさわやかな風。両岸の緑に囲まれた清流を走る舟。ガタゴトガタゴト体に響き渡る振動。トロッコ列車の向いの席の3年次生と交わした言葉「校長先生ですね。お会いするのは入学式以来です。」・・・スクーリング時には、できるかぎり校内を見回っているものの生徒の皆さんと顔を合わせて話す機会が少ない淋しさを実感しました。

 嵐山の天龍寺では、玄関先の達磨絵の迫力に見入られてしばらく佇んでしまいました。また、太秦映画村の展示室には、丹下左膳で有名な大正・昭和の時代劇大スターの大河内傳次郎さん直筆の「ころんだときが おきるとき」と書かれた達磨絵が飾られてありました。
 そういえば、校長室で毎日、達磨絵を見ています。定時制通信制生徒の応援団である兵庫県高等学校定時制通信制教育振興会の会長を永らく務めておられた大内 俊一 氏直筆の絵が飾ってあるのです。
映画村では、時代劇の中に、どっぷりとはまり込んでいましたが、教員という職業柄か、忍たま乱太郎の忍者学校の教室で一休み。いやいや、勉強してきました。
 伊集院 静 氏は『大人の流儀』の中で、「旅をしなさい。どこへむかってもいいから旅に出なさい。世界はあなたが思っているほど退屈なところではない。旅は旅することでしか見えないものが大半である。」と言っています。
 今回は、日帰り旅行でしたが、私自身いろいろと気づくこと考えさせられることもたくさんありました。感謝。感謝。

 10月14日、本校28回生で同窓会相談役をされている矢野 勇 氏を職員研修会の講師にお迎えして、AEDを用いた心肺蘇生法の講習会をおこないました。
 「あなたは愛する人の命を救うことができますか?」
矢野氏は救急救命法インストラクターの資格を取得され、小学校や地域で講師として活躍されています。
 まさに、本校の教育目標である「生涯学び続ける意欲と態度を身につける」を実践されておられることは嬉しいかぎりです。

 講師が卒業生ということもあり、和気あいあいと充実した講習会になったことに感謝いたします。 

                                              平成23年10月19日