命の輝き

学校長 清水 温幸

 いよいよ夏本番。
 前期スクーリング、レポート提出も終了しました。社会的に節電がうったえられている中ですが、テストに向けて、暑い夏を乗り切ってください。

 なでしこジャパンがやってくれました。
 もしかして、「優勝」というかすかな期待が現実となり、「がんばろう日本」に元気と勇気を与えてくれました。
 同点ゴール、PK戦と最後まであきらめない姿を私もテレビにかじりついて見ていました。
 隣の家から「やったぁ〜!」と拍手が聞こえてきたときには、私も「よっしゃ!」と連帯感が深まった気がしました。

 青雲高校でも嬉しいニュースがあります。
東京で行われた全国高等学校定時制通信制総合体育大会で卓球男子団体が優勝、女子個人では野口麻衣さんが準優勝を勝ち取ってくれました。
 また、福島県で行われた全国高等学校総合文化祭囲碁部門では湯浅文貴君が男子個人準優勝(文化庁長官賞)を勝ち取ってくれました。
  「よっしゃ!」
 8月7日に開催された青雲高校同窓生の集いで、本校生の活躍を報告させていただいたところ、喜びの声と大きな拍手をいただきました。

 一躍有名になった旭山動物園の前園長である小菅正夫さんは「伝えたい命の輝き」の講演会で次のように話されました。

 地球上の動物は生きていくために有利な形態・能力を進化の過程で種が獲得した。それぞれがその姿でなければ生きていけない。
 すべてのものがナンバーワンでありオンリーワンである。   
 やらなければならないことを自らの能力を発揮してやるとき、命が輝く。

 動物園とは、動物たちの「命の輝き」を皆さんに伝え、今生きていることの意味を考えてもらえる場所なのです。

 また、垣根涼介さんは「君たちに明日はない」のあとがきで小説の登場人物について次のように述べています。

 人間の存在価値は、人が持っている内面世界、つまりは、その人が自分の目に見える世界をどう捉えているかという、本人の自意識そのものにある。自意識のフレームだ。
 だから、私は物語を組むときに、その人物の自意識のフレームが変容する瞬間を常に描いてきた。ある事件が起こり、あるいは常にない危機的な状況に巻き込まれ、その人物の今までの自意識や常識が適用せず、その内面がガラリと変わらざるを得ない瞬間−それが、人間が最も美しく輝く瞬間であり、また、そうでなくては、登場人物はその内面のあり方として、その後の人生を渡って行くことができない。


 青雲高校に入学してきた人の中には、これまでの生活スタイルとは異なる人も多くいると思います。
自分で決めた場所で自分の能力を発揮して、明日へ向かって自分らしく生きていって欲しいと思います。

                           平成23年8月15日