絶えず進め

学校長 清水 温幸

 学校では四月が新しい年の始まりです。
 新たに557名の生徒、新しい先生と事務職員の5名を迎え、平成23年度がスタートしました。 
 私たちは今、心あらたに新年度に取り組もうとしていますが、例年通り、当たり前のように当たり前のことができることに感謝したいと思います。

 世界中を驚愕させた東日本大震災から一ヶ月が過ぎました。地震と津波の被害の大きさには言葉もなく、阪神淡路大震災の時の体験が重なり、大自然の脅威に対して無念さで一杯です。まだまだ混乱が続いており、原子力発電所の事故による二次被害の心配も尽きません。
 しかし、兵庫県は被災にくじけず一歩ずつ確かな復興を遂げてきています。今回の大震災でお亡くなりになられた方々に心からお悔やみ申し上げますとともに、被災された多くの方々にお見舞い申し上げます。そして、一日も早い復旧・復興を願うばかりです。

 百田尚樹さんの「永遠の0」、荻原浩さんの「ぼくたちの戦争」、鈴木光司さんの「鋼鉄の叫び」を偶然にも立て続けに読みました。いずれも零戦特攻隊に関する話でした。その直後に東日本大震災の悲報に接しただけに、与えられた命を全うすることについて深く考えさせられました。

 今年1月21日、吉本新喜劇の間寛平さんが「ありがとう!ただいま帰ってきました。おれは本当に幸せもんや」と、大阪にゴールしました。
 766日、41040 km、地球を一周する「アースマラソン」を完走しました。
 「無理せんように、無理せんように、無理せんように自分で考えて行きたいと思います。もし何かあったら誰のせいでもありません。自分のせいです。日本を目指すアメママンは、ちょっとやそっとではくじけません。」「どうなるか分らんけど最後までは行こう」と、前立腺ガンを治療しながら、一日50km走り続けた結果です。

 話題になった「超訳 ニーチェの言葉」の本の中に次のような記述がありました。
「どこから来たか」ではなく、「どこへ行くか」が最も重要で価値あることだ。栄誉は、その点から与えられる。
どんな将来を目指しているのか。今を越えて、どこまで高くへ行こうとするのか。どの道を切り拓き、何を創造していこうとするのか。
 過去にしがみついたり、下にいる人間と見比べて自分をほめたりするな。夢を楽しそうに語るだけで何もしなかったり、そこそこの現状に満足してとどまったりするな。
 絶えず進め。より遠くへ。より高みを目指せ。  (「ツァラトゥストラはかく語りき」より)

 皆さんも、「あせらず やすまず あきらめず」確かな一歩一歩を刻んで行きましょう。 

                           平成23年4月18日