私からあなた方へ伝えたいこと

兵庫県立青雲高等学校校長 高橋 一男

 卒業生の皆さん卒業おめでとう。
 心からお祝い申し上げます。卒業までの努力には本当に頭が下がります。 青雲高校での生活は、入学式に始まり、卒業式をもって終わりとなりますが、今日から新しいステージへの旅立ちです。

 卒業生の皆さんの旅立ちの朝、2つの言葉を伝えたいと思います。
 通勤途中、ラジオ放送を聴いていたとき頭に『義理』『人情』という言葉が浮かびました。
 この2つの言葉は、人間社会の中で大切な意味のある言葉ではないかと、私は思っています。
 『義理』とか『人情』などと言えば、東映のヤクザ映画か男の裏社会だけのことかと、思われそうですが違います。
 私の子供時代の昭和30年代には、『人情味』のあるおじさんやおばさんが隣り近所には多くおられ、その人たちの「生きる姿を通して情愛や思いやりといった人間らしい心」を教えてもらったものです。
 そのことは、11年前の阪神淡路大震災のボランティア活動として、発揮されました。

 もう一つは、人間社会の中で生きていく時、忘れてはいけない言葉に『義理』という言葉があります。
 義理とは、「道徳上行わなければならないつとめ」とか「世間の付き合い上しなければならないこと」と辞書に載っています。
 この『義理』とか『人情』という言葉は、人間社会の中で、忘れてはいけない言葉ではないでしょうか。
 卒業生の皆さんが社会の一員として生きている今、『人情』や『義理』を忘れないで、心温かな人間として成長されることを心から願っています。

 私も皆さんと同じように、『義理』『人情』を持った心温かな一人の人間として、成長していきたいと思っています。
 卒業される皆さんに、是非この2つの言葉を伝え、皆さんの成長される姿を母校から祈念しています。(2006.3)