創立四〇周年記念式

兵庫県立青雲高等学校校長 高橋 一男

式  辞

 六甲の新緑も本校40周年式典を祝福しているように感じられる今日、(中略)本校歴代校長先生並びに神戸地区の校長先生、教頭先生の皆様方のご来場をいただき、本校創立記念式典を挙行できますことは、誠に光栄に存ずる次第であります。 本校教職員と生徒を代表し、高い席からではございますが、厚くお礼申し上げます。

 本校の歴史を顧みますと、昭和23年4月学校教育法第45条第4項の規定に基づき高等学校通信教育規定が公布され、兵庫県立豊岡高等学校・兵庫県立加古川東高等学校に通信教育部が設置されました。その後、昭和32年両校が廃止統合され、兵庫県教育委員会告示第15号により兵庫県立長田高等学校通信教育部となりました。
そして、昭和40年4月に県下最初の通信制高校として、兵庫県立青雲高等学校が開校されました。

 開校以来40年間で卒業生は11000余名を数え、社会からの信頼も厚く、幾多の優れた人材を輩出しております。このことは、本校関係者の誇りでもあります。
 本校の40年間を思い起こします時、兵庫県教育委員会より賜りましたご指導・ご援助が大きな力となって、本校の充実・発展が成されたことは言うまでもありません。

 今、全国に通信制高等学校は、公立私立合わせて152校あります。その中でも本校は、全国屈指の通信制高校として確固たる地位を築き、リーダーシップを発揮し指導的立場の学校へと成長して参りました。
 このことは、歴代校長先生・教職員の方々・生徒の皆さん方が一つにまとまり、本校に注いでこられた情熱と努力が本校発展の礎となり、今日を迎えていると思っています。
 一つの事例として、校歌は第三代校長田村 英夫先生が作詞、和田 正先生が作曲されたと伺っています。詞の中から、青雲高校での自己の成長・研鑽を積むことにより、先生方も生徒の皆さんも共に成長しようという心意気が感じられます。

 通信制高校の学習の基本は自学自習であります。こうした学習形態の中から、卒業資格取得のための学習は勿論のこと、大学・短大・専門学校への進学など数多くの成果を残しています。また、本校の部活動を振り返ってみますと運動部を中心に素晴らしい実績を残しています。

 昭和58年度そして昭和60年度に行われた第16回及び第18回の全国高等学校定時制通信制卓球大会において男子団体優勝を二度成し遂げています。平成になってからも、平成5年度全国高等学校定時制通信制陸上競技大会で砲丸投げ・走高跳びに優勝者を出しました。平成7年度にも、走幅跳びで優勝者を出しています。その後、平成11年から14年までの4年間連続で陸上競技部から優勝者を出しています。
 このことは通信制高校としては素晴らしい成果です。
女子バスケットボール部や女子バレーボールも少ない部員ですが全国大会に出場しています。

 文化部においては、写真部が平成11年第19回近畿高等学校総合文化祭写真部門で「推薦」を受賞しました。その後創作研究部が平成16年度第13回全国高等学校漫画選手権大会通称まんが甲子園に出場し創立40周年に花を添えてくれました。この様に、本校運動部・文化部共にがんばり、青雲高校の名を全国に広めてくれました。
 このことから、本校はいわゆる「文武両道」の通信制高等学校であると自慢できることと思っています。

 反面、残念に思うことは、学校行事として修学旅行・体育大会が実施されていないことです。卒業生の方からも続けておられますかと尋ねられることがあります。「残念ながら、実施できていません」と答えますと寂しそうな顔をされるのがつらいことです。

 さて、近年通信制高校も変容を求められています。従来の面接指導・レポート添削・テスト受験という学習形態はそのままでありますが、IT機器の発達により学習活動の取り組み方法が増えたように思います。本校は平成15年度に学校ホームページを開設しました。
 平成16年度にはマイクロソフト社との提携による学校と生徒との双方向での学習活動への展開を視野に入れた新教育システムの実証・実験を行ってきました。
このことは、eラーニングへの足がかりへとなるべく努力をしているところです。

 21世紀に入り、情報化・国際化・少子高齢化へと社会は急速に進んでいます。
 本校は、この急激な社会変化に対応出来るように、学習時間においては、基礎基本を大切にし、学ぶ力と生きる力を身につける学習活動を推進しています。
 本校の教育目標でもあります「生きがいある生涯のために、学ぶ力と生きる力を身につけよう」に繋げるために、生徒一人一人が生涯において、学び続けながら、たくましく生きる力を身につけ、心豊かな人間として成長してほしいと願い、目標の達成と実現を目指して、教育活動を推進してまいりましたし、今後も務める所存であります。

  本校生徒の皆さんには、今日の40周年記念式典を契機として、これからも地域で信頼される通信制高校として先輩たちが築かれた伝統を継承し、自己の成長と共に創立50周年に向けた第一歩を踏み出して欲しいと願っています。
 本日、ご来場の皆様には、本校の不備や不足の点、そして未来への展望などについて、忌憚のない意見やご希望をちょうだい出来ればありがたいと思います。
 以上を持ちまして、創立式典の式辞といたします。


平成17年5月22日
兵庫県立青雲高等学校長 高橋一男

おことわり
 式辞中の来賓の方々のご氏名に関し、個人情報保護の観点から、一部省略させていただいております。あらかじめご了承ください