1『窓の魚』西 加奈子(星陵図書館にあり) 『あおい』『さくら』『きいろいゾウ』が主な作品としてあげられる西加奈子。『さくら』は泣きながらページをめくった。しかし『窓の魚』は少し違う。推理小説のようで推理小説ではない。だから謎を解いた時の爽快感はない。あるのはどうしようもない絶望感。でも、それは完全な絶望を書いたものではない。かすかな希望のような、光があるような、そんな感じ。 |
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2『友情』武者小路 実篤(星陵図書館にあり) ラブレターがすごい。こんな熱烈なラブレターを現代人は書けるのか? メールや電話とは違った手紙ならではの強い表現は圧倒される。1919年に発表された作品。友情、恋愛、結婚、社会問題、芸術、文学・・・様々なテーマが盛り込まれている。中でも注目してほしいのは友情、恋愛、結婚に対する登場人物達の心情や考え方。明治・大正時代が少しはわかるかも。 |
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3『また会う日まで』柴崎 友香 次の「」内は本文の一部分。□に入ることばは何かな? 「液晶画面を見たとき、そこに写っているのは今の瞬間なのに前に録ったビデオを見ているような、というよりも、その画面を通して見る周りのものが、もうすでに『思い出』の一場面になってしまったような感じがして、それだけが理由ではないけれど、あの感覚を思い出すとなかなか□□□□□□□を手にできない。」 柴崎友香の小説には独特の視点がある。「ふつう」の日常を「鮮やか」な日常に変えてくれる。「ふつう」が「ふつう」と言えなくなる気がする。新しい、今まで知らなかった物の見方をさりげなく教えてくれる何かがある。 |
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4『ゴースト・ストーリー傑作選 英米女性作家8篇』(星陵図書館にあり) 「ゴースト」小説 です。 日本では馴染みがないけど、英米では非常に人気のあるジャンル。これらの小説には確かにゴーストがいて、確かにその中に生きる人は不思議な何かに引き寄せられ、不思議な何かに運命が動かされたりもする。本当の話ではない? 本当にそんなことは起きない? 99%そう思って読み進めるが、残りの1%でゾッとする。そんな話ばかり。 |
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5『Story Seller2』(星陵図書館にあり) これを読む前に、ぜひ『Story Seller』『 Story Seller2』を読みましょう。そうすればいっそう楽しく読めます。ちなみに近藤史恵「ゴールよりももっと遠く」、米澤穂信「555のコッペン」が『Story Seller』『 Story Seller2』からの続きもの。お気に入りの作家と出会えるかも? 色んな作家の短編小説が一気に読める。お得な本です。 |
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7『るり姉』 椰月 美智子(星陵図書館にあり) 「るり姉」は何歳? 「るり姉」の仕事は? 「るり姉」の病気は? |
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8『感染宣告 ―エイズウイルスに人生を変えられた人々の物語』石井 光太 「HIV感染は、ウイルスそのものではなく、ウイルスが人間の醜悪な部分をことごとくあらわにして極限にまで追いつめることに恐ろしさがあるのだ。」 |
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9『遺体 地震、津波の果てに』石井 光太(星陵図書館にあり) 平成23年3月11日、三陸沖にマグニチュード9.0の地震が発生した。その後、津波が発生し死者・行方明者は二万人を超えた。 |
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10『ノラや』 内田 百(星陵図書館にあり) 内田百閧ノ共感できますか? |
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11『物乞う仏陀』 石井 光太(星陵図書館にあり) 今、世界で起こっていることを、知ってるか? |
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12『七夜物語(上)(下)』川上 弘美 (星陵図書館にあり) 『七夜物語』は少年少女の冒険物語。二人がひょんなことから不思議な世界へ足を踏み入れてしまうことから始まる冒険だ。ありきたりかもしれないけど、少年少女の成長が見られる、ドキドキよりも、ほっこりする小説です。 ちなみに、川上弘美の小説は「うそばなし」ばかり。自身も「ほんとうにあったことを書こうとすると、手がこおりついたようになってしまいます。(略)自分の書く小説をわたしはひそかに『うそばなし』と呼んでいます。」(『蛇を踏む』より)と言っています。「うそ」の話なんて読みたくない!と思うかもしれないけど、うその世界で遊ぶ楽しさを川上弘美から学べるかもしれませんよ。 |
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13『絶対貧困〜世界リアル貧困学講義』石井 光太 (星陵図書館にあり) 世界の人口は約六十七億人(本書より)。 |
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14『工場』小山田 浩子 (星陵図書館にあり) 新潮新人賞受賞作品。 何年やっても子供にはよくわからなくて不気味なところがある。「ネコみたーい」女児がコケを |