辻惟雄【日本美術史】
「あそぶ神仏」(ちくま学芸文庫)
「ニッポン美術たんけん(1〜3)」(日本図書センター)
辻惟雄さんという日本美術史の東大の先生だった人がいて、日本美術の紹介や美術
史の入門書を精力的に書いていらっしゃいます。「あそぶ神仏」は時代としては江戸時代を
中心に神や仏の描き方や造りかた、当然そこから江戸時代の人の宗教観、降格と難しそ
うですが、お寺巡りのエッセイや、仏像の解説ですね。ただ、辻さんの視点が、どれも面白
いし、ナルホドと唸る。やたら「ナルホドがる」のは、私の年せいかもしれませんが、若い人が
読んでも結構面白いと思う。そう思っていたら、辻さんが監修して子供向けの美術史の絵
本がありました。「ニッポン美術たんけん」のシリーズがそれです。ページを開いて、高校
生には幼すぎるかと、一瞬後悔しましたが、読んでみると、たぶんハイレベルだということに気
づくね、これは、というわけで、こっちから手に取ってみてください。(館長)