2015・霜月 その12
小林英夫『日中戦争』(現代新書)
『満州と自民党』(新潮新書)
歴史を読む。この国の戦後の驚異的経済の秘密は、さまざまな新興国の興味を書きたてる問題である
ようだけれど、当然研究のも様々なアプローチがある。著者は早稲田大学の先生らしいが、満州国研
究のエキスパート。満州国での実験が、まあ、考えてみればひどい言い草だけれど、戦後日本の経済
成長の基礎になった、というのがこの人の視点。アジアでの植民地政策と敗戦処理政策。やってる当
事者の名前さえ変わらないところに、戦争に対するこの国の姿が映し出されていると読む人もいるか
もしれない。(館長)