23.中和滴定

[目的]シュウ酸の標準液を作り、水酸化ナトリウム水溶液の濃度を滴定によって測定し、さらに食酢の濃度を求める。
[薬品・材料]
 シュウ酸(COOH)2 水酸化ナトリウムNaOH 食酢 フェノールフタレイン
[器具]ビュレット メスフラスコ ホールピペット コニカルビーカー
[操作]
1)シュウ酸の標準溶液を調整する。
 
2)水酸化ナトリウム水溶液の濃度を測定する。
漏斗は外す
3)食酢中の酸の濃度を測定する。
(ホールピペットの使い方)
[留意点・工夫点]
水酸化ナトリウム(粒)は、空気中の水蒸気を吸って質量が変化してしまうので、いったん容器から出した水酸化ナトリウムは、絶対に容器に戻さない。
水酸化ナトリウム水溶液は、目に入らないように注意する。こぼれたらすぐに拭き、よく手を洗う。
シュウ酸を溶かすには時間がかかるので、実験前にまとめて作っておいた方がよい。
シュウ酸は、精密はかりや直示てんびんなど精度の高いはかりで正確に秤量する。
班ごとにメスフラスコでシュウ酸の標準溶液を作らせる場合には、充分均一に溶かすことが必要。
各溶液は、多めに用意しておく。
ビュレットに溶液を入れる際、入れすぎてあふれることがあるので漏斗を少し持ち上げて入れるようにする。入れ終われば、漏斗は必ず取り除いておく。
ビュレットの活栓やメスフラスコの共栓は、タコ糸などで結び付けておき、他と入れ替わらないようにしておく。
ビュレットの活栓部はグリースを薄く塗っておく。付けすぎると目詰まりを起こす。
実験中にビュレットの先端がグリースなどでつまった場合は、マッチの火などで暖めて溶かし出す。
シリコン活栓のビュレットはグリースをぬったり、糸で結びつける必要がないので便利である。
ビュレット内の溶液がこぼれた場合に、あとの処理がしやすいよう、バットにビュレット台をセットしておくとよい。(写真1)
滴下する際、コニカルビーカーの下にろ紙などの白い紙を敷いておくと、微妙な色の変化が分かりやすい。(写真1)
ホールピペットは、吸い口を消毒用アルコールで消毒した方がよい。また、安全ピペッターやニューピペットポンプを用いてもよい。
溶液をホールピペットで吸い上げる際は、先端が軽くビーカーの底に触れるようにする。(液面の近くで吸い上げると、吸い込む危険がある。)
ビーカー、ピペット類は使う薬品別に色テープなどで区別しておくとよい。
ホールピペット、ビュレットはぬれたまま使用してもよい。その場合は、洗浄後、純水ですすぎ、共洗い(使用する溶液で2〜3回濯ぐ)してから使用する。
アルカリ性薬品は水で落ちにくいので、ビュレット等アルカリ性薬品が付着した器具は、一度、酸で中和してから洗い流すとよい。
器具にフェノールフタレインが付着してとれない場合は、エタノールを使用する。