『播磨国風土記』研究班の第2回研究会を開催

2015年10月31日(土曜日)

 風土記研究班の第2回研究会が、館内で開かれた(室長、客員研究員、兼務委員など8名参加)。
研究会では、まず古市晃客員研究員(神戸大学)が、「播磨国の渡来人伝承と佐波水門」と題する報告をおこなった。
『播磨国風土記』に数多くみえる渡来人伝承のうち、瀬戸内海沿岸地域からの到来説話(とくに西播磨地域)に焦点をしぼり、それが葛城系王権による地域支配策と密接に関わり、瀬戸内海における「ハブミナト」ともいえる周防国の「佐波水門」支配と、播磨の餝磨ミナトとの関連で考えるべきことが提起された。

 ついで坂江渉研究コーディネーターが、「播磨国風土記の神話を考える」というテーマで報告し、風土記の地名起源説話にみえる神話が、本来、各地の祭祀と密接に関わり、本来は口頭で語られ、皆に聞かれていたこと、その中で、30例近くに及ぶ伊和大神伝承を古代史のみならず、播磨中世史のなかに位置づけることの重要性などを提起した。

 また高橋明裕客員研究員(立命館大学)は、播磨国内に設置された「ミヤケ」(餝磨御宅・志深屯倉など)を基軸にして、東播・西摂を結ぶ交通路(六甲山系北側を走る湯山街道)の復元についての見通しを述べた。報告後、年度末に刊行予定の『紀要』論文執筆に向けて共同討議をおこなった。

(文責・坂江渉)