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館長室へようこそ!

兵庫県立歴史博物館
館長 藪田 貫
【プロフィール】
 2014年4月1日に、端信行前館長の後任として歴史博物館長に就任しました藪田 貫です。端館長とは年齢は違いますが、大阪生まれ、京都橘女子大学教授を勤めたことなど共通点があり、初対面の時に話が盛り上りました。
 専門は歴史学、とくに日本近世史(江戸時代史)の社会史・女性史です。大阪大学大学院修士課程を終え、大阪大学助手・京都橘女子大学助教授を経て、1990年から2015年3月まで関西大学文学部教授を勤めておりました。館長となって二年目に入ります。4月に開設されたひょうご歴史研究室室長を兼ねています。25名のスタッフと力を合わせ、ちょっと立ち寄ってみたくなる博物館を目指したいと思います。
【「館長室へようこそ」について】
 「館長室へようこそ」では、歴史博物館に関する話題や、兵庫県の歴史・文化のニュース、私が折に触れて感じたことなどを、皆さんにお伝えしたいと思っています。「歴史ステーション」にお越しになった時に、気楽に立ち寄って、おくつろぎ下さい。  みなさんのお便りなども、お待ちしています。
あて先 : Rekishihakubutsu@pref.hyogo.lg.jp
 

  旧五カ国の個性と魅力−但馬の巻−  2016年3月15日

 旧国名で現在の都道府県を呼ぶことはあまりないことだと思われますが、兵庫県ではしばしば、「旧五カ国」という言葉が使われます。それは、摂津・播磨・丹波・但馬・淡路を指しますが、江戸時代までの日本六〇余州の五つを言い、明治維新後に成立した兵庫県がその五カ国を範囲にしているという事情がそこにはあります。といっても丸ごと入っているのは播磨・但馬・淡路で、摂津は大阪府と、丹波は京都府とで二分されています。

 

 兵庫県立歴史博物館に入るとロビーのフロアー一面に、空中から見た県域図が広がっており(写真1)、来館者の注意を引いていますが、そこに旧五カ国が収められています。この五ヵ国という言葉は、兵庫県の地域の個性を表現するものとして、井戸知事もよく使われるもので、今日の県政を推進する上でも重要な枠組みと言うことができそうです。

 

写真1

 

 兵庫県立歴史博物館長として着任して以降、美しい姫路城の見える立地点を大事にしながらも、遠く丹波や但馬、淡路の博物館に出かけてみたいものだと思っていましたが、昨年11月には「ひょうご歴史文化フォーラム」で出石に出かけることとなり、但馬に足を踏み入れました。さらに新年早々、出石焼展が本館で開催されることとなり、2月20日(土)には、ロビーで、出石焼の絵付け、麦藁細工、杞柳細工のワークショップが開催され、但馬の生み出した伝統工芸に関心を持つ人々が多数、集まり、雨の中、歓声の絶えない一日となりました(写真2)。

 

写真2